パレオダイエットの効果は嘘!批判される理由とは?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

パレオダイエットとは、旧石器時代の狩猟採集型の食生活を取り入れる食事法です。

結論から言えば、お勧めのダイエット法ではありません。

確かに元々の食事が酷い人がやれば、痩せたり健康になったりすることもあります。

しかしこれをやる必要がないですし、デメリットもあるので、やらない方が良いダイエット法です。

私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

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↓私の詳しい経歴です。

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パレオダイエットとは?

パレオとは「Paleolithic(旧石器時代)」の略で、パレオダイエットとは旧石器時代の狩猟採集型の食生活を取り入れる食事法です。

旧石器時代が始まったのはおよそ260万年前で、終わったのが1万年前ぐらいです。

パレオダイエットのコンセプトは、わずか1万年の間に登場した食べ物よりも、260万年もの長期間に渡って食べられてきた物を摂取することが人間の自然な状態で、これにより健康的に痩せるという考え方です。

具体的に何を食べるかというと、魚介類、鳥類、小動物、昆虫、卵、野菜、キノコなどの菌類、根菜、ナッツ類などを中心とします。

農耕や牧畜が始まったのが約1万年前なので、これらに頼らずに入手できた物ということです。

逆に避けるものは、旧石器時代には容易に入手できなかった穀物、豆類、乳製品、芋類、食塩、砂糖、加工油などです。

パレオダイエットは1970年代にアメリカで登場し、2002年に出版された本の影響でアメリカで有名になったそうです。

日本では2018年10月に『一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』という本が出版され、この少し前からやや広まっていたようです。

なお2020年10月には『【新装版】一生リバウンドしないパレオダイエットの教科書』が出版されました。

パレオダイエットは、日本で爆発的に流行ったということはありませんが、一部では知られていて、数多くある「やや流行ったダイエット」の1つと言えます。

パレオダイエットで痩せて健康になる人とは?

確かにファストフードやジャンクフード、お菓子、加工食品などを日常的に頻繁に摂取している人が、パレオダイエットをすれば痩せます。

確かにこれらの食品は、肥満や病気の大きな原因だからです。

しかしパレオダイエットをしなくても痩せます。

そしてパレオダイエットを厳格にやろうとすると、逆に心身の健康を害する恐れがあります。

ちなみにパレオダイエットに限らず、これまでに流行った大抵のダイエットでも同じことが言えます。

どの方法でも肥満者がやれば、大抵は一時的に痩せますが、結局はリバウンドします。

パレオダイエットのデメリットとは?

まず穀物を避けることで、糖質の摂取量が減ってしまうことが大きなデメリットです。

近年、糖質制限ダイエットが広がりましたが、パレオダイエットも糖質制限の一種と言えます。

糖質制限は確かに短期的に体重が減りやすいですが、筋肉や代謝が減りやすく、また長続きしにくいので、結局はリバウンドする人が非常に多いです。

ちなみにもし頑張って継続すると、健康寿命が短くなる可能性が高いので、最近は「糖質制限は良くない」という考え方が主流になってきています。

↓このように糖質の量や割合を減らし過ぎると、死亡率が圧倒的に高くなることが分かっています。


そしてそもそも、旧石器時代の人たちも、結構な量・割合の糖質を摂っていた、という説が近年は有力になってきています。


また豆類、乳製品、芋類などを避けることも、栄養バランスの面で大きなデメリットです。

これらはタンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなどを手軽に摂取しやすいので、日常的に摂取する方が良い食品群です。

豆類、ゴマ類(種子類)、ワカメなどの海藻類・・・・という「マゴワヤサシイ」は、栄養バランスを整えるのにお勧めの考え方です。


なお食塩、砂糖、加工油などに関しては、確かに現代人で太っている人は摂り過ぎている傾向があるので、摂取量や頻度を減らすのは良いことです。

しかし完全に排除する、とまでは考えない方が良いです。

オルトレキシアという言葉があります。

これは健康が目的で、自分が考える「体に良くない食べ物」を極端に避けようとする摂食障害の1つです。

パレオダイエットのコンセプトが間違っている

既に紹介したように、まず旧石器時代の人たちは、実は結構な量の糖質を摂っていたようです。

そして、そもそも「わずか1万年の間に登場した食べ物よりも、260万年もの長期間に渡って食べられてきた物を摂取することが人間の自然な状態」という考え方が間違っています。

実は人間は、ここ1万年の間でも進化している部分があるそうです。

例えば、永久歯の生える順番は、ここ半世紀くらいで変化してきているとのことです。


また『私たちは今でも進化しているのか? 』という本の紹介文にも、↓このような文が載っています。


「人類は歴史の大半を狩猟採集で生きてきた。農耕定住生活を初めてから、疫病も圧政も過重労働も始まった。

病んだ現代人は原始人にならって、米や麦などの炭水化物を摂取することは止め、肉食中心の生活に戻るべきだ」とする石器時代への憧れ(パレオファンタジー)は幻想だ。炭水化物は人類を滅ぼさない。

なぜなら、現代人のDNAは農耕文明開始後の1万年の間にも進化しているからだ。


・・・とのことです。

パレオダイエットは幻想ということですね。

旧石器時代より1975年頃の日本食を真似る方が良い

旧石器時代の食事を真似るというコンセプトは、一見すると確かに興味深いですが、実際には無理があり過ぎます。

なおダイエット業界では、「1日3食は食べ過ぎだから、江戸時代の1日2食を真似ると良い」などとして、1日2食を勧める人たちもいます。

しかしこの説も大間違いであることが分かっています。


またパレオダイエットを推奨する人は、ファスティングやプチ断食も推奨する傾向があるようです。

しかし断食も、ダイエットや健康にはデメリットでしかありません。


昔の食事を真似るなら、旧石器時代や江戸時代の食事ではなく、1975年頃の日本の食事を真似るとダイエットや健康のために良いことが分かっています。

↓以前テレビ番組でも「1975年頃の寅さんの食卓が理想的な食事」と紹介されたこともあります。

↓関連情報です。

『1975年頃の日本食には、肥満、生活習慣病予防のヒントがある』
 東北大学大学院農学研究科食品機能健康科学講座 准教授 都築 毅 先生


1975年頃の日本食は、マゴワヤサシイのものが多く、一汁三菜のような和食のイメージです。

また現代よりも加工食品や脂質が少ないのもメリットです。

パレオダイエットを真似るなら当時の運動量

パレオダイエットで推奨する食事を真似るよりも、当時の運動量を真似る方がお勧めです。

現代人は、移動手段や通信技術などが発達した影響で、座っている時間が長く、活動量が減り続けています。

「1時間座るごとに寿命が22分短くなる」という研究結果もあるほどです。

もちろん旧石器時代は、現代よりも歩いたり走ったりすることがずっと多かったでしょうから、まずは食事よりも活動量を真似る方が良いとも言えます。

これは江戸時代の食事を推奨する人にも、同じ事を言いたいですね。

また活動量だけでなく、電子機器を使わないことや、夜更かしをしない、などという生活習慣も、旧石器時代の人たちを真似ると、痩せやすくなる現代人も多いですね。

睡眠や休養なども、ダイエットや健康のために非常に重要な要素だからです。

まとめ

・ジャンクフードや加工食品などを多く摂っている人がパレオダイエットをやれば痩せる
・でもパレオダイエットである必要はない。むしろパレオダイエットでない方が良い
・パレオダイエットは糖質の摂取が少なすぎて健康寿命を縮める
・栄養バランスも崩れるのでダイエットや健康にも良くない
・パレオよりも1975年頃の日本食の方が良い
・パレオ(旧石器時代)を真似るなら活動量を真似る方が良い
・パレオを真似るなら、電子機器を夜遅くまで使わないような生活を真似る方が良い

↑これらが、この記事のまとめです。


最後に、健康的に痩せてリバウンドしないために大事な【習慣化】についてお伝えします。

食事改善も運動も【一時的にだけ】やっても、その後にやめれば無意味です。

ダイエットは、習慣化されなければ意味がありません。

この記事の中で、よく噛んで食べることなどが大事だと伝えましたが、ダイエットのために大切な習慣は他にも色々あります。

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