【元ライザップのトレーナーが解説】
2021年12月10日に『ゆっくり味わってよく噛んで エネルギー消費量を増加させる』というプレスリリースがありました。
固体物でもドリンクでも、咀嚼をすることで食後のエネルギー消費量の増えることが科学的に明らかとなったとのことです。
2020年1月28日に、TBS系列で放送された『この差って何』という番組で、
【早食いをやめたら痩せた】という検証企画を紹介していました。
また、2019年12月11日に放送されたNHK『ガッテン!』では、
ベジ(野菜)ファーストは、【5分以上かけて、ゆっくりよく噛んで食べることが大事】
と紹介していました。
人気モデル「にこるん」こと藤田ニコルさんも
「ダイエットでは、よく噛んでゆっくり食べることが大事」という主旨のツイートをしています。
習慣1で紹介した『レコーディングダイエット』と違って有名ではありませんが、
『噛むだけダイエット』や『箸置きダイエット』という本もあります↓
なお『噛むだけダイエット』は2012年発売で古い情報もあるので、2021年7月に発売の『簡単! 箸置きダイエット』↓の方が圧倒的にお勧めです。
「早食いの人ほど、肥満である割合が多い」という研究結果もいくつかあり、明らかな関連があります。↓
ここまでの紹介だけで充分なほど、よく噛むことの大事さが、もうわかりましたよね?
一応、詳細や補足情報をこの後も解説していきます。
なお1週目【習慣1】の記事を、まだ読んでいない方は、↓こちらをどうぞ。
ちなみに、レコーディングダイエットの著者がリバウンドした理由の一つで、
「よく噛んでゆっくりと食べることを習慣化していなかったから」というのもあると思います。
よく噛んで食べると、なぜ痩せるのか?
よく噛むことによって満腹中枢が刺激され、食欲を抑える「レプチン」というホルモンが分泌されやすくなり、食べる量が減るから痩せる、と考えられています。
先ほどの『この差って何』でも紹介していました。↓
また2020年4月16日のNHK BSプレミアム『美と若さの新常識』のテーマは【体内時計】で、
「よく噛んで食べると、インスリンの働きや血糖値に良い変化がある」と紹介していました。
更には、よく噛むことで唾液の分泌量が増えるのですが、唾液には「筋肉や骨の発育を促す成長ホルモンの一種」であるパロチンが含まれています。
「噛めば噛むほど成長ホルモンが出て痩せる」と思えば、「よく噛むのを意識し忘れた」ということも減ってくるのではないでしょうか?
よく噛むことのメリットは他にも、消化酵素や免疫機能を高めるIgA抗体が出やすくなる、というのもあります。
↑2021年2月5日のNHK『あしたも晴れ!人生レシピ「心と体をいたわる術!自律神経を整えよう」』で、紹介していました。
2020年7月28日付けで、厚生労働省のe-ヘルスネットというサイトに、【速食いと肥満の関係 -食べ物をよく「噛むこと」「噛めること」】という項目があります。
この中に、「近年の疫学調査により速食いの習慣がある人には肥満者が多いことがわかってきました。」と書かれています。
「毎回30回噛む」だけでは不十分
よく「一口ごとに30回噛みましょう」と言われますが、食材によって必要な回数が変わってきます。
固い物や大きな物あれば、50回以上噛む必要があります。
逆に柔らかくて20回くらいで「もう噛めなくなって、飲みこむしかなくなる」というものもあります。
お勧めは「口の中の物が小さくなりすぎて、もう噛めなくなるまで噛む」ということです。
これを習慣化するためには、食べ物を口に入れるたびに毎回、箸を置くのがお勧めです。
早食いの人は、よく噛まずにすぐに飲み込んだり、口の中に食べ物が残っているのに、また次を口の中に入れたりしますよね?
一口ごとに箸を置くことによって、これを防ぐことが出来ます。
2020年8月29日の『激レアさんを連れてきた。』で、郷ひろみさんも「30回絶対噛んで食べる」と紹介していました。
「粉々に液体状にならないと嫌」とのことなので、30回というのは最低ラインのようです。↓
そして習慣化するために、
・家中の至る所に「30」と書いた紙を貼る
・これをスマホの待ち受け画像にする
などの工夫をしていそうです。
食べる順番ダイエット。おかずファースト
野菜だけではなく【タンパク質や脂質】も先に食べるのがお勧めです。
先ほどの『ガッテン』でも紹介していました↓
理由は、魚や肉に含まれるタンパク質や脂質が【インクレチン】というホルモンの分泌をうながし、糖の吸収が遅くなるからです。
2020年6月16日の日本テレビ系列『ノンストップ!』でも、
「ベジファースト」よりも【ミートファースト】ということを紹介していました。
ミートファーストの方が「タンパク質や脂質など、体に必要な栄養素をしっかり吸収できる」というメリットがある、とのことです。
結局は、「おかずファースト」&「カーボ(糖質)ラスト」が大事、と覚えておきましょう。
また冒頭で紹介した通り「おかずファースト」だけでなく、5分以上かけることが大事です。
2020年2月3日放送の『名医のTHE太鼓判』で、このことがわかる実例を紹介していました。
↓こちらは、2019年の『女芸人No.1決定戦 THE W』で優勝した「3時のヒロイン」の、かなでさんです。
お弁当を6分で完食し、更にもう一つも6分で食べていました。
これでは、せっかくのベジファーストも台無しですよね。
ベジファーストは小鉢程度では効果なし
2021年1月27日に日本テレビ系列『それって!?実際どうなの課』では、
【野菜を先に食べると太りづらいのか検証】
という企画を放送していました。
番組では専門家に監修してもらい、今回の食事に必要な【野菜の量】を250gと設定していました。↓
そして【小鉢程度の量では、効果はない】と紹介していました。
ここが重要なポイントです。
しっかり味わうことも重要。脱デブ味覚。消化酵素アミラーゼ。
ただ「よく噛むこと」だけでなく、意識して「しっかり味わうこと」も重要です。
早食いの人や太っている人の多くは、味が濃いものが好きな「デブ味覚」になっています。
これは、舌が鈍感になっている状態です。
2020年2月26日のNHK「あさイチ」でもデブ味覚を取り上げていました。
この時のテーマがアブラだったので、「アブラを食べ過ぎで舌が鈍感に」と紹介していました。
しかし実際には、アブラだけでなく、甘い物や、調味料(醤油、ソース、ドレッシングなど)の摂りすぎや、栄養バランスの崩れなどによっても、味覚が鈍くなっていきます。
そうなると、より濃い味のものを好むようになり、その結果、食べる量が増えて太りやすくなります。
これを改善・予防するためには、しっかりと味わって、ゆっくり食べることが重要です。
「正常な味覚は、約10日間で取り戻せる」と紹介していました。
なお、私の約3年間のライザップ勤務や、その後の、オンラインダイエット指導による経験では【ダイエットを始める9割以上の方】が、早食いだと思います。
食事改善により味覚が正常化し、薄味でも大丈夫になったり、むしろ薄味が好きになり、以前は好きだった味が、「濃すぎると感じる」ようになる方も多いです。
また、お米、パン、麺などの、いわゆる主食は、特によく噛んで食べましょう。
お米をしっかり噛むと、甘さを感じますよね?
唾液に含まれるアミラーゼという酵素が、デンプンを糖に分解することで、甘味を感じています。
脳が甘みを感じると、すい臓はいち早くインスリンの分泌を始め、血糖値が素早く下がるので太りにくくなります。
つまり、特に主食は【よく噛まないと、太りやすい】ということです。
また、同じ物を食べても【美味しいと感じるか、感じないか】によって「ダイエットや健康への影響」が違ってきます。↓
↑「おいしい」と感じると、胃腸の働きが促進され、栄養を効率よく体内に取りこむことが出来ます。
逆に「おいしくない」と感じると、胃腸の働きが抑制されて、栄養を吸収する力が低下します。↓
↑キーワードで、
・セロトニン(幸福ホルモン)
・コルチゾール(ストレスホルモン)
などがあります。
↓関連記事です。
基本的には、よく噛んで食べると甘みや美味しさを感じるので、必要な栄養素を、より吸収できるようになります。
間違った論理・考え方は「栄養を吸収すると太るから、噛まないで食べる」ですね。
これだと消化不良になって、腸内環境がボロボロに悪化するだけです。
これらのことからも、よく噛むことも、しっかり味わうことも、両方とも大事なことがわかりますね。
↓味覚に関する参考記事です。
↑記事の中で触れていますが、「栄養バランスが良い食事にすること(習慣3で紹介)」も、デブ味覚を抜け出すことに繋がります。
↓ストレスと味覚に関する参考記事です。
噛むだけダイエット、箸置きダイエット
『噛むだけダイエット』の著者は、日本一の肥満県である沖縄の生活習慣病外来(ダイエット外来)で指導している方です。
「噛むだけダイエット」で、2000人以上の患者を指導し、ダイエット成功率は90%以上とのことです。
よく噛むことで、痩せることや味覚が正常化する根拠などが、書かれています。
また、↓これらのような様々な体験談があったそうです。
美肌効果、美白効果、若く見られる効果、フェイスリフト、小顔になる、髪の毛がツヤツヤになる、血糖値・中性脂肪値・尿酸値などが正常化、朝スッキリと起きられる、便秘改善、イライラしなくなる、膝痛が消える、性欲が強まる、積極的・活動的になる。
もちろん個人差はあるでしょうけど、凄いことですよね。
ダイエットというと「好物の白米や、お菓子などを我慢する!」などという人が多いですが、これは、頑張りどころを間違っています。
いくら頑張っても結局は長続きせず、ほぼ間違いなくリバウンドします
それよりも、ゆっくり食べる習慣を身につけること」を頑張る方がずっと効果が高く、これが本当の頑張りどころです。
でも実際には、頑張る必要はなくて、ちょっとした工夫や仕組みで、習慣化すれば良いだけのことです。
ちなみにこの本は2012年に発行されたものなので、ダイエット全般についての情報は、やや古い部分もあると思いました。
これについては、「習慣3」以降でお伝えします。
2021年7月に発売された『簡単! 箸置きダイエット』は、情報も新しく正確性が高いし、「過度な低糖質」や「食べないダイエット」の注意喚起もしているので、こちらの方が圧倒的にお勧めです。
ゆっくり食べるのを習慣化する方法は?
「長年の早食いの習慣が、なかなか抜けない」という人のために、3つの方法を紹介します。
よく噛むことを習慣化する方法① 箸置き
新しく身につけたい習慣は、何かの「物」とセットにするのがコツです。
食事の際に、箸置きを見るたびに「よく噛んで、ゆっくり食べる」という記憶を呼びだすので、習慣化しやすくなります。
↓このように、様々なキャラクターの箸置きもあるので、お気に入りの箸を探してみるのも良いと思います。
また、よく噛む習慣をお子さんに身につけさせたい場合にも箸置きを使うのはお勧めです。
箸を置く時に、合わせ絵になるという「合わせ絵箸」↓と一緒に使うのも良いですね。
↓これらのような高級な箸も、食事に対する意識も高まるのでお勧めです。
↓このような「痩せ箸」というものもあります。
↑商品説明のサイトに、【よく噛むと痩せることに繋がる】という研究結果なども、分かりやすく紹介されています。
ちなみに私は高級箸と痩せ箸の両方を試しましたが、個人的には高級箸の方が良いと思いました。
よく噛むことを習慣化する方法② 鏡
食卓に、鏡を置いておくのも一つの方法です。
食べている時の姿を見ることで、よく噛んで食べることに繋がります。
また左右の「片方だけの歯」で噛んでいることに気づくこともあります。
いつも片側ばかりで噛んでいると、身体のゆがみにも繋がるので、左右バランス良く噛むことがお勧めです。
よく噛むことを習慣化する方法③ スマホ
これは郷ひろみさんもやっていると、既に紹介しましたね。
郷さんの場合は、↓「30」という数字でした。
・家中の至る所に「30」と書いた紙を貼る
・これをスマホの待ち受け画像にする
応用としては、
・「よく噛んで食べると痩せる」
・「粉々になるまで噛む」
などのような文章を紙に書いたり、冷蔵庫に貼ったり、スマホの壁紙にするのも良いですね。
↓参考まで、携帯電話の壁紙を変更する方法です。
更なる応用として、例えば目標とする体型の「有名人の画像」に文字を付け加える、というのも良いですね。
↓これは文字を入れただけのサンプルです。
↓アプリで、簡単に作成できます。
もし文字を入れるのが難しければ、↓元々存在するものから、お気に入り画像を探すのでも良ですね。
ここまで紹介してきた、箸置きや、箸、鏡、スマホの壁紙などを活用すると、
食事のたびに、噛むことを意識するようになって、よく噛むことに繋がる効果があります。
まずどれか1つだけを試してみるのでも良いし、複数の方法を併用するのでも良いですね。
まとめ
大事なのは、
・しっかりと味わいながら
・よく噛んで
・おかずファーストで
・ゆっくり食べる
ということですね。
このことから、そもそも【おかずが無い食事は、良くない】ということもわかります。
朝はパンだけや、昼食はおにぎりとカップラーメンだけのような食事は、ダメだということです。
この件に関しては、次の【習慣3】で詳しく解説します。
ただ、仕事の休憩時間が短すぎて実践出来ない人や、 職種上ゆっくり食べることが出来ない人なども、いると思います。
それでもせめて、朝食と夕食だけでもゆっくり食べることを習慣化しましょう。
ちなみに私は元警察官なので、いつ事件が起きてもすぐ対応できるように当時は早食いでした。
「朝は忙しい」という人も多いですが、 睡眠の質を上げるなどして朝からよく噛んで食べる習慣を身につけると、 ダイエットの成功率が高くなります。
睡眠や朝食の大事さは、この後の習慣でもお伝えしますが、 生活習慣全般の改善も ダイエットで成功するために重要です。
そして朝に時間のゆとりがあると、 精神的にも良いので、人生の質が間違いなく向上します。
次の【習慣3】の記事は、↓こちらです。