
【元ライザップのトレーナーが解説】
2020年8月12日に放送された日本テレビ系列『それって!?実際どうなの課』で、
【ゆで卵は食べても摂取カロリーゼロ?】というネット上の噂を検証していました。
3日間で3.9kg減りましたが、ほぼ体内の水分が減っただけなので、この噂は嘘です。
↓私の経歴です。
なお6月9日は「たまごの日」で、「卵」という漢字が数字の「6」と「9」に似て見えることと、盛夏の前に卵を食べて健康増進を図ってもらいたいとの願いから、愛知県で鶏卵の生産・販売を手がける鈴木養鶏場が制定しました。
※LINEのオープンチャットで「ダイエットは習慣が9割」というグループの管理者をしています。
どなたでも気軽に参加してください。
ゆで卵は食べても摂取カロリー0?
噂の理屈は、↓このようなものです。
・ゆでたまご1つは、およそ90kcal。
・しかし体内の消化で使うエネルギーも同じくらいの90kcal。
・つまり、ゆでたまごを食べても食べたことにはならず、基礎代謝の分だけ痩せる

ゆで卵を1日に25個食べる実験
卵は、栄養バランスが優れていて、完全食と呼ばれていることは本当です。
正確に言えば、「ビタミンCと食物繊維を補足すれば」ですが。
被験者のチャンカワイさんの体重や活動量から、1日の推定エネルギー必要量を計算し、卵1個のカロリーで割り算をしたところ、1日に食べるゆで卵の量は25個となったようです。

なお昔は「卵は1日に1個まで(又は2個まで)」と言われていましたが、2015年の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」からは、「目標量の算定は控えられました。
これは「何個でも食べて構わない」ということではありません。
総合内科専門医・糖尿病専門医の方も、↓このようにツイートしています。

また厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、脂質異常症の重症化予防を目的に【コレステロールを200mg/日未満】に留めることが望ましいと新たに記載されました。

平均的な大きさの卵1個のコレステロール量は250mgです。
また私が最近読んだ本には、「それでも個人差があるので人によっては、1日1個までにしておくのが良い」書かれていました。
というわけで今回の実験を安易に真似することは、やめましょう。
卵の個数の件以外でも、栄養の偏りが酷いですしね。
そして、何と言っても痩せないですからね。
番組でも最後に、↓このように注意喚起していました。

卵に限らず、同じものを食べ過ぎるのはアレルギーを引き起こす可能性があります。
また栄養バランスの面でも、タンパク質は、肉、魚、豆類、乳製品、穀物などから幅広く摂る方が良いので、特に病気が無い人でも卵は1日2個くらいまでにしておくのが良いと思います。
1日目で1.7kg減!
「余分なエネルギー消費をしたと勘違いされたくない」とのことで、あまり動かないような生活を心がけていたそうです。
確かに、通販番組のダイエット器具で、
「器具による運動だけでなく、カロリーコントロールされた食事もしました」
などと、物凄く小さい文字で書かれてることが、よくありますからね(笑)
チャンさんによると「かなり腹持ちが良い」とのことです。

検証前の体重は97.3kgで、1日経過で96.5kgになり、1.7kg減でした。
そしても2日目も同じ方法での検証ですが、1日目は調味料無しだったのが、2日目はOKとなったとのことです。
減った体重は、糖質と水分!
番組では最後まで触れていませんでしたが、1日目に1.7kg減ったのもこの後の体重減少も
【体内に貯蔵されていた糖質と水分が減っただけ】です。
【糖質1gと水分3gは、くっついて体内から出入りする】という性質があります。
詳しくは、↓こちらをどうぞ。
2日間経過で、合計3.7kg減
3日目は、お腹が減らず、9個しか食べられなかったとのことです。
しかし最終日の減り幅は、たったの0.2kgでした。

これは先ほど紹介した、糖質1gと水分3gの性質によるものです。
実験中は、糖質を調味料の分の、ごく少量しか摂取していなかったので、最初の2日間で体内に貯蔵されていた糖質が無くなったのだと考えられます。
そのため3日経過後の測定では、体内から水分が大幅には減らず、前日比200gだけの減少にとどまったのだと考えられます。
被験者が太っていれば、何をしても痩せる
番組では、専門家に実験結果の解説を聞いていました。
専門家によると、
・卵はタンパク質が多く、体内でタンパク質を分解するのには多くのエネルギーを消費する。
・このことから拡大解釈されて、今回実験するきっかけになったネットの噂が生まれたのでは?
とのことです。
そして噂は、ガセとのことです。

しかし、3日間で3.9kg減ったことに驚いていたようです。
「すごく太ってる人だから痩せた」と解説してましたが、確かにこれも1つの要因ではあります。
テレビ番組のダイエット企画の多くで、被験者は標準体重より大幅に太っていますからね。
でも本質は既に解説した、糖質1gと水分3gの性質ですけどね。
「体重が減る=痩せる」ではない
先ほどの専門家の画像では「3日で3.9kg痩せた」と字幕が出ていますが、私は「減った」と書きました。
本来の「痩せる」の定義は体重ではなく、体脂肪量が減ることです。
夏の暑い日やサウナで、1時間で1kg以上の体重が減ることはありますが、これは水分が減っただけです。
これを「痩せた」というのは、間違いです。
500mlペットボトルの水を一気飲みすると0.5kg増えますが、これを「太る」とは言わないですよね?
詳しくは、↓こちらをどうぞ。
この認識が間違っている人は、日々の体重測定に無駄に一喜一憂してストレスになるので、痩せにくい傾向があります。
短期的な体重の増減は、そのほとんどが水分によるものです。
もし、体脂肪が0.1kg減るのが、毎日続いたら、1ヵ月で、3kgも減ることになります。
もし1年続いたら、36kg減です。
(筋肉を減らさずに、体脂肪だけがこんなに減ることは、ほぼ起こりません)
水分の減少で、1日に1kg減ることもありますが、ずっと続くことはありません。
もし続いたら、標準体重の人は、2~3ヵ月程度で、この世から消滅してしまいます(笑)
「●●ヵ月で〇〇㎏減!」などという話しや記事が、よくあります。
また世の中には「●●の期間が短くて、〇〇の数値が大きいほど、凄い・素晴らしい!」と思っている人が多いでますが、これは大間違いです。
短期間で体重が大幅に減るほど体への負担が大きく、代謝や筋肉も減り、骨粗鬆症や様々な病気のリスクが高くなるだけで、デメリットでしかありません。
1ヵ月に1kg減くらいを目指すのが、健康的に体脂肪を減らすのに、理想的なペースです。
(既にBMIや体脂肪率が標準範囲内の人であれば、1ヵ月に0.5kg減くらいを目安にするくらいがお勧めです)
極端なダイエット方法は、危険性が高い
ダイエット目的の断食、炭水化物カット、断糖など、【極端なダイエット方法】がいくつもありますが、どれも安易にやるのは危険です。

↑こちらは、この記事の途中でも紹介しましたが、大事なことなのであらためて載せておきます。
今回の実験は、ゆで卵しか食べないという極端なもので、不健康になるリスクが高いことは、誰にでも容易に想像できると思います。
ちなみに、もしこの実験を更に継続すると、おそらく体重の減り幅は、緩やかになるでしょうけど、更に減っていくと思います。
しかし体脂肪が減るだけでなく、筋肉も減り様々な体調不良も出てきて、続けられなくなります。
世の中にあふれている【極端なダイエット】も、ほぼ全て同じ結果になると思います。
一旦は体重が減る
↓
筋肉も減り、体調の不具合が出てくる
↓
元の食事に戻す
↓
リバウンドして同じ体重になる
(以前より筋肉や代謝量が減り、体脂肪が増えている)
↓
将来「寝たきりになる年齢」が早まる
・・・というのが、リバウンドの恐怖です。
↑このような【間違ったダイエット】を繰り返している人は、↓これらのデメリットが起こります。
・痩せることが、益々難しくなっていく
・骨粗鬆症のリスクも、ドンドン高くなる
・健康寿命が短くなっていく
セロリはマイナスカロリー!?
今回のゆで卵の噂は、以前からセロリでも言われています。
しかし、もし毎日セロリしか食べない極端な実験をすると、やはり上記のような結果になるでしょうね。
体重は減るけど、筋肉も大幅に減り、病気になり、続行不能になってリバウンド、という流れですね。
詳しくは、↓こちらをご覧ください。
メンタリストDaiGoさんが【朝ゆで卵ダイエット】を推奨してるが・・・
DaiGoさんは「体脂肪が11%も減る【5倍やせる朝食】はこれだ!」というタイトルで、YouTubeに動画を載せています。
「朝食の炭水化物の代わりに、ゆで卵3個にしたら痩せた」という実験結果を紹介していますが、
アメリカの実験ということで、パンやシリアルをゆで卵に代えたとのことです。
また被験者は肥満体型の人達ということで、シリアルやグラノーラ、コーンフレークなどは太りやすい代表的な物ですね。
パンの種類や、ジャムの量・種類などにもよりますが、これらをゆで卵に代えて、肥満体型の人が痩せるというのは、当然のことです。
もし標準体型の日本人で元々、納豆ご飯なんかを食べていた人が、ゆで卵3個だけの朝食にしたら、健康的に痩せることは無いですね。
※既に標準体型の人や、食事内容が良い人が、ゆで卵ダイエットをすると、筋肉や代謝が減ったり、体調不良を起こす可能性が高いです。
※また栄養バランス的には、ゆで卵は1個だけにして、
・サバ缶やイワシ缶を半分など
・緑黄色野菜
・味噌汁
などを加える方が、ゆで卵3個に代えるよりも、ずっと良いです。
この方が圧倒的に、栄養バランスが良くなりますからね。
ダイエットが上手くいくためのキーワードは、
・栄養バランス
・食材の多様性
・食物繊維
などです。
↓参考の記事です。
まとめ
・「ゆでたまごは食べても、摂取カロリーゼロ?」は嘘
・ゆで卵だけを食べる生活をすると、一時的には体重が減る
・でも減ったのは、ほとんど水分で、肝心の体脂肪は減っていない
・極端なダイエットは、病気やリバウンドのリスクが高いので、やってはいけない。
以上が、この記事のまとめです。
一食を単品に置き換えるダイエットは、全てやってはいけません。
なお卵はサイズによりますが、1個にタンパク質6g~7gが含まれています。
【ゆで卵を、食事の最初の方に食べること】は、お勧めのダイエット方法の一つです。
前述の通り、卵の栄養価は高いのと、タンパク質を食事の最初に摂取しておく「タンパク質ファースト」や「おかずファースト」は、とても良いことです。
今回紹介した番組『それって!?実際どうなの課』では、後日「3日間、肉だけを食べ続けると実際どうなる!?」という企画も放送していました。
結果は、今回の【ゆで卵】の場合と同じです。
最後に、効率良く健康的に痩せて、リバウンドしないために、どうすれば良いのかをお伝えします。
まずダイエットは、習慣化されなければ意味がありません。
リバウンドしないためには、食事の内容、量、タイミング、運動、日常の活動、睡眠、ストレス管理など、様々なことで、良い習慣を身につける必要があります。
大事な要素はいくつもあるので、次々と登場する「〇〇だけ」ダイエットで痩せないのは当然のことです。
↓この記事をじっくり読んで実践するだけで、95%以上の人は無理なく、きくつなく痩せる習慣を身につけることが可能だと思います。
また、もしライザップやフィットネスジムに通うことを検討している場合は、オンラインダイエットがお勧めです。
↓私のオンライン指導だけで痩せた方のビフォア・アフターです。

費用は大手パーソナルジムの1割~2割程度の費用です。
大手ジムの広告よりも、減量のペースは遅いですが、リバウンドがしにくく、きつくなくて、習慣化もされやすいと思います。
↓詳細は、こちらをご覧ください。
↓Twitterでもダイエット情報を日々発信しているので、フォローしてもらうと真実のダイエット情報を得ることが出来ます。
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