ゆで卵ダイエットで痩せた!は嘘。逆に太る理由とは?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

以前『それって!?実際どうなの課』というテレビ番組で、【ゆで卵は食べても摂取カロリーゼロ?】というを検証していました。

3日間で3.9kg減りましたが、これは一時的に体内の水分が減っただけです。

被験者が肥満体型だった影響水分の減り幅が大きかっただけで、体脂肪は減っていないので痩せたのではありません。

痩せないだけでなく、逆に「太りやすい体」になるので、やっていけない「嘘のダイエット法」です。

この記事では「ゆで卵ダイエットでは痩せない理由」と、「どうすれば健康的に痩せるか?」について解説します。


私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

↓私の経歴です。

※本ページは広告やPRなどが含まれています。

ゆで卵は食べても摂取カロリー0?

「ゆで卵で痩せるか?」という噂の理屈は、↓このようなものです。

・ゆでたまご1つは、およそ90kcal。
・しかし体内の消化で使うエネルギーも同じくらいの90kcal。
・つまり、ゆでたまごを食べても食べたことにはならず、基礎代謝の分だけ痩せる

しかし、もちろん「カロリーゼロ」なのは、サンドウィッチマンのギャグだけで話です笑

ゆで卵を1日に25個食べる実験

卵は栄養バランスが優れていて、完全食と呼ばれていることは本当です。

正確に言えば、「ビタミンCと食物繊維」などは不足していますが。

被験者のチャンカワイさんの体重や活動量から、1日の推定エネルギー必要量を計算し、1日に食べるゆで卵の量は25個となりました。


なお昔は「卵は1日に1個まで(又は2個まで)」と言われていましたが、2015年の厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」からは、目標量の算定は控えられました。

これは「何個でも食べて構わない」ということではありません。

総合内科専門医・糖尿病専門医の方も、↓このようにツイートしています。


また厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、脂質異常症の重症化予防を目的に、【コレステロールを200mg/日未満に留めることが望ましい】、と新たに記載されました。

【厚労省が「日本人の食事摂取基準(2020年版)」を公表 脂質異常症と高齢者のフレイルに対策 よりきめ細かな食事指導が必要に】

平均的な大きさの卵1個のコレステロール量は250mgです。

↑「誰でも制限なく卵を食べて良いわけではない」ということが大切なポイントです。


また私が最近読んだ本には、「それでも個人差があるので、人によっては1日1個までにしておくのが良い」と書かれていました。

というわけで、今回の実験を安易に真似することは、やめましょう。


卵の個数の件以外でも、卵だけだと栄養が偏って、特に食物繊維やファイトケミカルが無いことも、痩せない大きな要因です。

番組でも最後に、↓このように注意喚起していました。

卵に限らず、同じものを食べ過ぎるのはアレルギーを引き起こす可能性もあります。

またタンパク質は、肉、魚、豆類、乳製品、穀物などから幅広く摂る方が良いので、特に病気が無い人でも卵は1日に多くても1~2個くらいにしておくのが良いと思います。

1日目で1.7kg減!

「余分なエネルギー消費をしたと勘違いされたくない」とのことで、あまり動かないような生活を心がけていたそうです。

確かに、通販番組のダイエット器具で、
「器具による運動だけでなく、カロリーコントロールされた食事もしました」
などと、物凄く小さい文字で書かれてることが、よくありますからね(笑)

チャンさんによると「かなり腹持ちが良い」とのことです。

検証前の体重は97.3kgで、1日経過で96.5kgになり、1.7kg減でした。

そしても2日目も同じ方法での検証ですが、1日目は調味料無しだったのが、2日目はOKとなったとのことです。

減った体重は、糖質と水分!

番組では最後まで触れていませんでしたが、1日目に1.7kg減ったのも、この後の体重減少も、【体内に貯蔵されていた糖質と水分が減っただけ】の話です。

【糖質1gと水分3gは、セットになって体内から出入りする】という性質があります。

この影響によって、標準体型の人でも1日で、体重が1~2kg増減することも珍しくありません。

大柄な人なら今回の検証のように、3日で3kg以上減ることもあります。

詳しく知りたい方は、↓こちらをご覧ください。

2日間経過で、合計3.7kg減

3日目は、お腹が減らず、9個しか食べられなかったとのことです。

しかし最終日の減り幅は、たったの0.2kgでした。

これは先ほど紹介した、糖質1gと水分3gの性質によるものです。

実験中は糖質を調味料の分の少量しか摂取していなかったので、最初の2日間で体内に貯蔵されていた糖質が無くなったのだと考えられます。

そのため3日経過後の測定では、体内から水分が大幅には減らず、前日比200gだけの減少にとどまったのだと考えられます。

被験者が太っていれば、何をしても痩せる

番組では、専門家に実験結果の解説を聞いていました。

この専門家には、↓このように話していました。

・卵はタンパク質が多く、体内でタンパク質を分解するのには多くのエネルギーを消費する。
・このことから拡大解釈されて、今回実験するきっかけになったネットの噂が生まれたのでは?

そして噂は、ガセとのことです。

しかし、3日間で3.9kg減ったことに驚いていました。

この専門家?は、おそらく先ほどの「糖質1gと水分3gがセットになる性質」を知らなかったのだと思われます。


「すごく太ってる人だから痩せた」と解説してましたが、確かにこれも1つの要因ではあります。

テレビ番組のダイエット企画では、ほとんどの被験者は大幅に太っていますからね。

そして太っている人ほど、体内に蓄えられている水分量も多いので、体重も短期間で減りやすいです。

「体重が減る=痩せる」ではない

先ほどの専門家の画像では「3日で3.9kg痩せた」と字幕が出ていますが、私は「減った」と書きました。

本来の「痩せることの意味」は「体重が減ること」ではなく、「体脂肪量が減ること」です。


夏の暑い日やサウナで、体重が1時間で1kg以上減ることもありますが、これは水分が減っただけです。

これを「痩せた」というのは、間違いです。

逆に、500mlペットボトルの水を一気飲みすると0.5kg増えますが、これを「太る」とは言わないですよね?

詳しくは、↓こちらをどうぞ。


「痩せるという言葉」の認識が間違っている人は、日々の体重測定に一喜一憂してストレスになるので、痩せにくい傾向があります。

短期的な体重の増減は、ほぼ水分によるものです。

少し続けると、今度は筋肉が減っていきます。

世の中には「短期間で大幅に減量するほど凄い! 素晴らしい!」という風潮がありますが、これは大間違いです。

実際は、短期間で体重が大幅に減るほど、体への負担が大きく代謝や筋肉も減り、骨粗鬆症や様々な病気のリスクが高くなるだけで、デメリットでしかありません。


1ヵ月に0.5~1kg減くらいを目指すのが、健康的に体脂肪を減らすのに理想的なペースです。

極端なダイエット方法は、危険性が高い

断食や糖質カットなど【極端なダイエット法】がよく流行りますが、どれも危険なのでやってはいけません。

なみにプチ断食・ゆる断食なども、結局は痩せず、徐々に太りやすい体になっていくだけなので、やってはいけません。

今回の実験はゆで卵しか食べないという極端なもので、不健康になるリスクが高いことは、誰にでも容易に想像できると思います。


ちなみに、もしこの実験を更に継続すると、おそらく体重の減り幅は緩やかになるでしょうけど、更に減っていくと思います。

しかし体脂肪りも筋肉が大幅に減り、様々な体調不良も出てきて、続けられなくなります。

世の中にあふれている【極端なダイエット】も、ほぼ全て同じ結果になります。


一旦は体重が減る
  ↓
筋肉も減り、体調の不具合が出てくる
  ↓
元の食事に戻す
  ↓
リバウンドして同じ体重になる(又はもっと太る)
(以前より筋肉が減り、体脂肪が増える)
  ↓
将来「寝たきりになる年齢」が早まる

・・・というのが、リバウンドの恐怖です。

ただでさえ筋肉量は加齢によって減っていくので、間違ったダイエットは老化を促進させるということです。


↑このような【不適切なダイエット】を繰り返している人は、↓これらのデメリットが起こります。

・痩せることが、益々難しくなっていく
・骨粗鬆症のリスクも、ドンドン高くなる
・健康寿命が短くなっていく

セロリはマイナスカロリー!?

今回のゆで卵の噂は、以前からセロリに関しても言われています。

しかし、もし毎日セロリしか食べない極端な実験をすると、やはり上記のような結果になるでしょうね。

卵よりもタンパク質が少ないので、筋肉が減るペースが、より早いと思われます。

詳しくは、↓こちらをご覧ください。

メンタリストDaiGoさんが【朝ゆで卵ダイエット】を推奨してるが・・・

DaiGoさんは「体脂肪が11%も減る【5倍やせる朝食】はこれだ!」というタイトルで、YouTubeに動画を載せています。


「朝食の炭水化物の代わりに、ゆで卵3個にしたら痩せた」という実験結果を紹介していますが、アメリカの実験ということで、パンやシリアルをゆで卵に代えたとのことです。

また被験者は肥満体型の人達ということですし、そもそもシリアルやグラノーラ、コーンフレークなどだけの朝食は太って当然のことです。

パンの種類や、ジャムの量・種類などにもよりますが、肥満体型の人は、これらをゆで卵に代えると痩せるというのは、当然のことです。

もし標準体型の日本人が、ゆで卵3個だけの朝食にしても、健康的に痩せることは出来ません。


なお栄養バランス的には、ゆで卵は1個だけにして、

・サバ缶やイワシ缶を半分など
・緑黄色野菜
・味噌汁

などを加える方が、ゆで卵3個に代えるよりも、ずっと良いです。

この方が圧倒的に、栄養バランスが良くなりますからね。


ダイエットが上手くいくためのキーワードは、↓これらです。

・栄養バランス
・食材の多様性
・食物繊維

↓参考の記事です。

まとめ

・「ゆで卵を食べても、摂取カロリーゼロ?」は嘘
・ゆで卵だけを食べる生活をすると、一時的には体重が減る
・でも減ったのは、ほとんど水分で、肝心の体脂肪は減っていない
・もし続けても、体脂肪よりも筋肉が減って「太りやすい体」になっていく
極端なダイエットは、病気やリバウンドのリスクが高いので、やってはいけない。

以上が、この記事のまとめです。


一食を単品に置き換えるダイエットは、全てやってはいけません。


なお卵はサイズによりますが、1個にタンパク質6g~7gが含まれています。

【ゆで卵を、食事の最初の方に食べること】は、お勧めのダイエット方法の一つです。

前述の通り、卵の栄養価は高いのと、タンパク質を食事の最初に摂取しておく「タンパク質ファースト」や「おかずファースト」は、とても良いことです。


今回紹介した番組『それって!?実際どうなの課』では、他にも「3日間、肉だけを食べ続けると実際どうなる!?」という企画も放送しています。

結果は、今回の【ゆで卵】の場合と同じです。



最後に、効率良く健康的に痩せてリバウンドしないために、どうすれば良いのかをお伝えします。

まずダイエットは、習慣化されなければ意味がありません。

リバウンドしないためには、食事の内容、量、タイミング、運動、日常の活動、睡眠、ストレス管理など、様々なことで、良い習慣を身につける必要があります。

大事な要素はいくつもあるので、次々と登場する「〇〇だけダイエット」で痩せないのは、当然のことです。


↓この記事をじっくり読んで実践するだけで、ツラくなく痩せる習慣を身につけることが可能です。


また、もしライザップやフィットネスジムに通うことを検討している場合は、オンラインダイエットがお勧めです。

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費用は大手パーソナルジムの1割~2割程度の費用です。

↓詳細は、こちらをご覧ください。


↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

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