【ライザップの元トレーナーが解説】
「1週間で〇kg痩せた!」という話をテレビやネットでよく見ますが、大抵ほぼ価値が無い情報です。
短期的な体重の増減は、ほとんどが水分によるものだからです。
大事なのは【体脂肪の増減】です。
よくある「糖質制限を始めてすぐに1kg~2kg減っても、その後にあまり減らない」という現象も、この仕組みによるものです。
↓私の経歴です。
ダイエットポリス(元警察官&元ライザップ)。『ダイエットは習慣が9割』の著者。豪華客船でトレーナー。世界一周×3回。ダイエット評論家・増戸 聡司の経歴
●この記事の要点は、以下の5点です。
・人間の体内には、300g~500gほどの糖質が蓄えられている。(個人差があります)
・蓄えられている糖質は、日常の食事や運動によって日々、増減している。
・【体内の糖質1gに対し水分3g~4g】が結びついて、体内から出入りしている。
・例えば500gの糖質が減ると1,500g~2,000gの水分も減り、2kg~2.5kgの体重が減る。
・逆に体内の糖質が空っぽの状態から500gの糖質が増えると、体重が2kg~2.5kg増える。
これだけでは理解できない人も多いと思うので、詳しく解説していきます。
更に、↓これらについても関連があるので、のちほど解説します。
・運動して汗をかいて体重が1kg減ったら、それは痩せたことになるのか?
・サウナで体重が1kg減ったら、痩せたことになるのか?
・500mlのペットボトルの水を一気飲みすると、体重が0.5kg増えるが、これは太ったのか?
そもそも飲むだけで痩せるサプリは、存在しません。
もし存在したら、ライザップや痩身エステの会社はとっくに倒産しています。
「〇〇だけダイエット」(飲む、巻く、乗る、着る、履く、塗る、単品)で痩せない理由とは?
嘘のダイエット広告はアフィリエイトの弊害
次々と新しいダイエット方法が出てきて、「ダイエットの知識はそこそこあるのに長年、全く成果が出ていない」という人が、世の中には大勢います。
そして世の中で出回っている【〇〇を飲むだけで1週間でマイナス3kg!】などという、よくある広告に騙されてしまう人も多い現状です。
これらの広告は、販売手数料を得る目的のアフィリエイトのサイトです。
↑以前NHKのフェイク広告の特集で、アフィリエイトが紹介されていました。
全てのアフィリエイトが悪いわけではないですが、ダイエットに関するサプリの99%以上は嘘と思っていて良いほどです。
嘘のダイエット商法に騙されないように気を付けましょう。
↓参考記事です。
嘘のダイエット情報が多い理由はアフィリエイトや企業案件。記事や広告の見分け方は?
【1週間で3kg減!】などは、凄いことではない理由とは?
【〇〇を飲むだけで、1週間でマイナス3kgに成功!】というような広告をよく見ますよね?
短期間で体重が大幅に減るのは、そのほとんどが水分であり、本来減らすべき体脂肪ではありません。
水分で体重が減るということは、あくまで一時的なものなので、実際に痩せたことにはなりません。
特に、糖質制限を始めると早い人なら1週間もかからずに2kg~3kgくらい減ることもありますが、体脂肪はほとんど減っていません。
そして最初の1ヵ月は2~3kg減っても、そのペースで毎月減り続けることはありません。
芸能人のダイエットの話題でも「1ヵ月で●kg痩せた!」などという記事がありますが、これも大抵は、ほぼ水分で減っただけです。
そもそも体脂肪が減るのには時間がかかり、大幅に減り続ける場合は筋肉も減っています。
ダイエットで減量ペースの目安は1ヵ月に1%。5%は速すぎで危険
短期間の体重増減は、ほとんどが水分によるもの
ここがポイントです!
具体的には【体内の糖質1gに対し水分3g~4g】が結びついて、体内から出入りをしています。
2021年9月2日にヤフーニュースで 『体重が急に増えた…原因と”本当の体重“の測り方を専門家が解説』 という記事がありました。
記事によると、【2015年の『European Journal of Applied Physiology』誌に掲載された研究によると、私たちの体は、グリコーゲン1グラムに対し水3~4グラムの割合で水分子と結合させ、グリコーゲンを貯蔵しているそう。】とのことです。
私がライザップでトレーナーをしていた頃は「糖質1gに対して水分3g」と聞いていましたが、「水分3g~4g」と認識しておくのが良さそうですね。
そして人間の体内には、最大で300g~500gほどの糖質が蓄えられています。(体格や筋肉量により個人差があります。)
この糖質の体内貯蔵量は、毎日の食事や運動によって日々変動しています。
体内の糖質貯蔵量の変動とは?
例えば、「糖質の体内貯蔵量が満杯の500g」という状態の人がいて、
2~3日間のしっかりとした糖質制限をすると、体内貯蔵量は、ほぼ0gになります。
【糖質1gに対し水分3g】が結びついて体内から出入りすると、体内の糖質500gが減ったということは、
1,500gの水分も結びついて一緒に体外に出た、ということです。
つまりこれだけで、2kgの体重が減ります。
しかし、これは水分と糖質が減っただけで、本来減らしたい体脂肪は減っていないということです。
もしこの人が、また糖質が入っている物を沢山食べれば、すぐに2kgくらいは体重が増えて、元の状態に戻ります。
糖質制限をしていた人が一気に糖質を摂ると、体重が2kgくらいはすぐ増えるのも同じ原理です。
これは体脂肪が増えたわけではないので、太ったのではないですよね。
※【糖質1gに対し水分4g】とすると、2.5kgの変動となりますね。
【糖質1gに対し水分3g~4g】の仕組みを知らないと、
「500mlのペットボトルの水を一気飲みしたら、体重が0.5kg増えて太った!悲しい!」などと滑稽なことになってしまいます。
塩分の影響でも体内水分量と体重変動が激しい
更に塩分の影響でも、体内の水分量がすぐに増減します。
しょっぱい物を食べると水分を欲しくなりますよね?
人間の体液(組織液)の塩分濃度は、0.9%と決まっているそうです。
100mlの水に0.9gの塩分が溶けているということです。
1gの塩分を摂ると、111mlの水分が必要という計算になります。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、【1日あたりの食塩相当量の目標量】を18歳~49歳の場合、
男性は7.5g未満、成人女性は6.5g未満としています。
しかし令和元年の調査によると、日本人の塩分摂取量は、成人男性は10.9g、成人女性は9.3gです。
約10gの塩分が毎日、出入りしているので、付随して水分も1リットルほどが出入りしていると考えられます。
塩分だけで見ても、毎日1kgほどの体重増減があっても不思議ではありません。
糖分も塩分も考慮すれば、1日で2~3kgの増減が起こり得ます。
塩分摂取が多い時も、体が水分を蓄えるので体重は増えますが、やはり体脂肪は増えていないので太ったのではありません。
むくんだだけですね。
・また普段使う食塩の種類によっても、健康に与える影響は違ってきます。
値段と体への影響が完全に比例するわけではないですが、値段が安いものだけを選ぶのではなく、製法やミネラルの豊富さなどを参考にして食塩を選択するのも良いと思います。
・塩分の摂りすぎも要注意ですが、塩分を排泄してくれるカリウムを摂ることも大切です。
カリウムを摂るには結局、栄養バランスが大事なので、幅広い食材を摂ることが大切ですね。
まごわやさしい食事で栄養バランスを整える。7週間ダイエットの習慣3
2022年12月8日のNHK『トリセツショー』は、「太らないトリセツ」というテーマで、塩分や水分摂取と肥満について紹介していました↓
「太らないトリセツ」塩で太る?水で痩せる?NHKトリセツショー
糖質摂取で体脂肪が増える仕組みは?
普段から糖質量を気にせず、満腹になるまで食べている人は、糖質の体内貯蔵量が、常に多い状態になっています。
体内貯蔵量の最大値を越えてから、更に糖質が体内に入ると、貯蔵できない分は体脂肪になってしまいます。
例えば、飲み会のあとの締めのラーメンですね(笑)
しかし、体内の糖質量が少ない時であれば、【糖質が入った好物を食べても体脂肪にはなりにくい】と言えます。
※血糖値の上昇速度にもよるので、全く脂肪にならないわけではありません。
※もちろん糖質の摂取が少なくても、脂質やタンパク質などを摂り過ぎれば太ります。
体脂肪が減りやすい状態は?
糖質の体内貯蔵量が少ない状態になると、優先的に体脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。
それなのである意味では、体内の糖質がある程度、抜けた状態になって、やっと体脂肪を減らすためのスタート地点についたと言うことも出来ます。
(日常生活や軽めの運動で、糖質と体脂肪が約半々ずつ使われますが)
しかし一般的な食事をしている人は、体脂肪をエネルギーとして使う機能が、普段ほとんど使われないので、
この機能が活性化するまでは、頭がぼーっとするという現象などが出ることもあります。
大抵は3日~1週間もあれば機能が活性化されて、そのような現象は出なくなってきますが、仕事などに支障をきたすようであれば、糖質摂取量を増やすのが良いですね。
また空腹の時間が長く続きすぎると、筋肉も分解されて、エネルギーとして使われてしまう恐れがあるので、食事でタンパク質が入った物をしっかりと食べることも大切です。
この仕組みからわかることは?
この仕組みを理解できると、よくある、↓これらのことが起きる理由も理解できるようになります。
・糖質制限をスタートしたら、1週間で2kgも減ったが、その後はあまり減らなくなった
・体重を毎日測定したら1kg~2kgくらいはすぐに増減するのはなぜか?
また、↓これらの質問にも答えられるようになります。
・運動して汗をかいて体重が1kg減ったら、それは痩せたことになるのか?
・サウナで体重が1kg減ったら、それは痩せたことになるのか?
もちろん、どちらも1kgの体重が減ったうちの大部分が水分によるものです。
前者は、運動中と運動後に体脂肪も減ってはいますが、ほんの僅かです。
そして運動中もサウナでも、もし本当に汗で1kgも減るようであれば、
それは脱水症状の手前の危険な状態で、不健康なだけなのでもっと水分を沢山摂る必要があります。
↓関連記事です。
サウナスーツにダイエット効果はない!逆に太る!ウォーキングで痩せた?
体脂肪が減るスピードは?
【1週間でマイナス3kgに成功したサプリ!】などの広告が、意味が無いことが理解できたでしょうか?
もし、この体重減少が本当だったとしても、ほぼ水分で一時的に体重が減っただけなので【痩せた】とは言えません。
体脂肪が減るには時間がかかるので、こんなに短期間では減りません。
フルマラソンの42.195kmを走って、体脂肪は「最大0.3kg減少」と、↓この本に書かれています。
ちょっと運動をしている人でも、フルマラソンを完走するのに、5~6時間はかかります。
これで、体脂肪が減るのは、たった0.3kg以下です。
日ごろから、よっぽど運動をしている人でなければ、体脂肪が減るペースは、1ヵ月で1kgも減れば上出来です。
↓関連記事です。
ランニングの消費カロリーはマラソン5回で体脂肪1kg減分!?
まとめ
【体重がすぐに変動する理由】が理解できたでしょうか?
・短期的な体重の増減は、ほとんど水分によるもの
・糖質1gと水分3g~4gが結合して、体内から出入りしている
・大事なことは【体脂肪の増減】
・体脂肪が減るには時間がかかる
などが、この記事のまとめです。
このことを知っておくと、毎日体重を測っていて、少し増えたり少し減っただけで一喜一憂せずに済むようになります。
”一喜” の方は良いとして、”一憂” の方は、やるだけ無駄なことですからね。
普段から、現在の体内糖質量が「0g~500g」のどのくらいの量なのかを意識して、
食べるものを選んだり、運動するタイミングや内容を考えるようにしてみてください。
Twitterで総合内科専門医の方も、↓このように書いています。
・体重変化=消化管内容物量の増減+水分量の変化(浮腫と脱水)+体脂肪変化+除脂肪変化(筋肉、骨など)
・ほとんどが消化管内容物と水分量の変化だと理解していれば、体重変化で一気一憂することはありません。
・毎日体重測定してグラフにすると、一時的な体重変化と体重変化の傾向の違いが一目瞭然です。
体重変化=消化管内容物量の増減+水分量の変化(浮腫と脱水)+体脂肪変化+除脂肪変化(筋肉、骨など)
— 総合内科専門医@糖尿病専門医 (@morningdietapp) October 1, 2021
で、ほとんどが消化管内容物と水分量の変化だと理解していれば体重変化で一気一憂することはありません。
毎日体重測定してグラフにすると一時的な体重変化と体重変化の傾向の違いが一目瞭然です。 pic.twitter.com/obCTWo09J3
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