低糖質ダイエットの注意点とは? GL値、超加工食品、果糖ぶどう糖液糖とは?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

低糖質の新商品が続々と発売されたり、大手チェーン店でも低糖質メニューが増えてきたりと、低糖質ダイエットは一時的な流行では収まらず定着してきました。

しかし誤った低糖質のせいで、結局はリバウンドする人が多いのが現状です。

私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

私の経歴は、↓こちらをどうぞ。

低糖質の基本情報

最も大事な基本情報については、以前、私が書いた↓この記事にまとめていますが、2つの要点を解説します。

1 【糖質と炭水化物の違い】

この2つの違いを理解しているでしょうか?

それは「炭水化物 = 糖質 + 食物繊維」です。

↑この違いは、とても大事なことですが、まだまだ知らない人が多いですね。


2 【よくある間違い】

糖質だけでなく
・タンパク質
・脂質
・食物繊維

なども減らしてしまうことが、よくある間違いです。

これらを減らすと、体調不良や筋肉量の減少に繋がり、リバウンドの可能性が高まります。

元々の食事によりますが、逆に増やす必要がある人も多いくらいです。

2020年6月2日にNHKで放送された『今日の健康』でも、注意喚起していました。↓

糖質量の目安は?

私は【摂取カロリーの50~60%くらい】を糖質から摂るのが良いと思います。

医師や専門家の間でも意見が分かれているところですが、例えば「ロカボ(ローカーボ)」という言葉・考え方を普及している協会では、
↓このくらいの糖質量を勧めています。

・1日の摂取糖質量の目安は、70g~130g。
(※体格、目標、運動量、目標への進捗状況、などによって変わります。)

内訳は、
・朝食で20g~40g
・昼食も20g~40g
・夕食も20g~40g
・間食で10g

後ほど解説しますが、この量は少なすぎると思います。


●実際のお米の量だとどのくらい?

もしロカボの推奨量を目安にすると、「一食のご飯の量」が70gくらいとのことです。

↓これで糖質量は25.8gです。


そして、↓おにぎり1個の糖質量は、40g弱くらいです。

また先程紹介した「炭水化物 = 糖質 + 食物繊維」も↑このおにぎりの具体例を見ると、理解しやすいですよね。

炭水化物 38.7g = 糖質 37.6g + 食物繊維 1.1g となっていますね。

ご飯や糖質の量は、体重・体脂肪率の推移やその日の運動量、日々の活動量(日常の歩行や階段も)などによって日々、調節するのが良いですね。

また、その週に飲み会や会食など、避けられない食事があれば、また調節すると良いですね。

ちなみに私がライザップでトレーナーをしていた時は【糖質が、1日に50g以下】でやっている人が多かったですが、これだと長続きしにくく、またリバウンドの恐れも高くなります。

極端な糖質カットは危険!

極端な糖質カットは、確かに体重が早く減りやすいですが、体脂肪だけでなく筋肉も減ることが多いです。

そして最新の研究では【糖質の割合が50~55%だと、死亡率が最も低い】とのことです。↓

↑これは2019年11月24日放送の『NHKスペシャル 食の起源 第1集「ご飯」~健康長寿の敵か?味方か?~』で紹介されていたグラフです。

↑この記事(現在は削除されたようです)から、重要な部分を一部抜粋して引用しておきます。↓


最近、先進国で得られたおよそ1万5千人のデータが分析され、糖質の摂取量と死亡率の関係が明らかにされた。その結果、糖質の摂取量を減らしすぎると死亡率が上昇。一方、摂りすぎても肥満や生活習慣病により死亡率が上がることが分かった。では「最も死亡率が低い糖質の摂取量」はというと、全カロリーの50~55%と判明したのだ。
 それだけの糖質をご飯で摂るとすれば、大人は毎食お茶わん1杯程度が適量。これが、進化の末に見えてきた、現代に生きる私たちの「理想の食」の形のようだ。
 現代はご飯だけでなく、パンやスイーツなど、おいしい糖質があふれているため、どんな糖質を選ぶかが大切だと伊藤教授は指摘する。


とのことです。


糖質を50%摂る場合
の一例を紹介します。

例えば基礎代謝が1200kcalの人で、日常の身体活動量が一般的な場合だと、
1日の消費カロリーは【1200kcalの1.5倍】が目安なので、1600kcalとなります。

このうち50%を糖質から摂ると800kcalです。

糖質1gは4kcalなので、800kcalだと、【200gの糖質量】ということになります。

体格や活動量などで個人差が大きいですが、大抵はロカボの推奨よりも多くなりますね。

なお一般的なサイズの茶碗1杯のお米の量は約150gで、糖質量は53gほどなので、毎食で茶碗1杯分のお米を食べることが出来るということです。


●3食の割合は?

例えば1日の糖質量の目安を200gにした時に、3食それぞれで約60g~70gずつの糖質を、均等に摂るのが基本です。

また例えば、↓このような割合でもOKです。

・朝食と夕食は50gずつくらいで、昼食で100gくらい
又は
・昼食と夕食は50gずつくらいで、朝食で100gくらい

でも「朝食と昼食の糖質が少なくて、夕食だけ多い」というのは、基本的にはお勧めしません。

また毎日同じ割合にするではなく、その日によって変えるのでも大丈夫です。

世間のイメージほど良くない物は?

世間的には「ダイエットに良い」と思われがちだけど、実は、あまり良くないものは、野菜ジュース、春雨、グラノーラ、蕎麦(十割蕎麦なら良い)、などです。

なお野菜ジュースは、目の前で野菜から作ったジュースなら良いし、グラノーラはローラさんのように自家製だったら良いですけどね。↓

一般的な市販の野菜ジュースやグラノーラは、甘く味付けされていたり、添加物や、酸化された油などが含まれている、などのデメリットが大きいですね。

根菜類も避けるべき?

また極端な低糖質をするパーソナルジムだと、「根菜類を避けるべき」と言う人もいますが、私は食べることを勧めています。

理由の一つは、イヌリンという成分です。

イヌリンは水溶性食物繊維の一種で、↓これらのような嬉しい効果があると言われています。

・悪玉菌の増殖を防ぐ
・余計な脂肪を分解する
・美肌促進
・糖尿病の予防

イヌリンは主に、ゴボウや菊芋などのキク科の植物の根や、玉ねぎ、ニンジンなどの野菜にも豊富に含まれています。

※また食物繊維はダイエットにも健康にも、非常に重要な物で、摂取量が足りていない人がかなり多いです。

食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維に分かれますが、特に水溶性食物繊維が足りていないことが多いです。

水溶性食物繊維は、先程も出てきた海藻類や、あとはヤマイモなどのネバネバ食品に多く含まれているので、これらを意識して食べましょう。

水溶性食物繊維は、便秘解消のためにもお勧めです。

糖質量を知るには、栄養成分表を見る!

コンビニやスーパーの食品には『栄養成分表』に書かれているので、これを見ることを習慣化しましょう。

表記が無い場合は、グーグルで「食べ物名 糖質」などと検索するとわかります。

●2019年9月からセブンイレブンで「糖質」と「食物繊維」を分けて表示開始

【セブン&アイ、PBの栄養成分表示を充実】 というニュースがありました。

↓これは、セブンイレブンのサラダフィシュの栄養成分表です。

糖質2.1gと食物繊維0.3gを足すと、炭水化物の2.4gになっていますね。

↓こちらは、高野豆腐です。

糖質10.0gと食物繊維0.5gを足すと、炭水化物の10.5gになっていますね。

最初の方に紹介した【炭水化物と糖質の違い】もこれで、バッチリ理解できますね。

他のコンビニやスーパーでは、糖質と食物繊維の表記が無く、炭水化物量しか書かれていないことも多いです。

その場合は、よほど繊維質が多そうなものでなければ、食物繊維は0gと考えて「炭水化物量 = 糖質量」とするので良いですね。

好物を禁止しない!

好物であれば、基本的には食べるのを「禁止」とは、しない方が良いです。

強いストレスになるし、反動でリバウンドに繋がりやすいからです。

もし好物が、このあと紹介する「超加工食品」や、「果糖ぶどう糖液糖」が多いものだったら、頻度や量は減らすのが、お勧めではありますけどね。

また、おかずファーファーストのあとに好物を食べる、というのも良いですね。

食べて良いかわからない物はどうする?

判断基準は、↓これらです。

・糖質量が、1日や1食の目標量内に収まっているかどうか。
・糖質が範囲内に収まっていても、GI値やGL値が高いか低いか。

GI値とGL値とは?

GI値(ジー アイ値)とは、グリセミック インデックス:Glycemic Index のことで、食後血糖値の上昇を示す指標です。

これは、知っている人も増えてきていますが、グーグルで検索すると、↓このように出てきました。

しかし最近は、GL値(ジー エル値)グリセミック ロード:Glycemic Load という考え方が、より重要だと言われてきています。

↓GL値を検索したものです。

スイカやニンジンは、GI値だと高いですが、GL値だと、低くなるのがポイントです。

GI値は【炭水化物が50g分の量】の食品を食べた場合で比較しているので、スイカや、ニンジンなど、フルーツや野菜は、水分が多く、炭水化物の割合が多くないので、【炭水化物が50g分の量】だと現実的ではありません。



これに対しGL値は、【実際に食べる現実的な量】を考慮しています。

GI値が高い野菜や果物も食べ過ぎなければ全く問題無いし、栄養バランス的には適切量を摂る方が良いということです。

‭出来るだけ避けたい超加工食品とは?

スナック菓子や、菓子パン、カップ麺、ジャンクフード、甘い清涼飲料、などの【超加工食品】と呼ばれる物は、よっぽど食べたいとき以外は、避けるのが良いですね。

ちょっと検索すると、↓このような記事がいくらでも出てきます。

「超加工食品」が糖尿病や肥満の原因に 悪玉ホルモンを増やし食欲を増進

米国糖尿病学会(ADA)によると、「超加工食品」とは「糖分や塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品。保存料などを添加し、常温で保存できたり、日持ちを良くしてある食品」のことです。

昔の日本人は、お米中心の食事でも太っていなかったのに、戦後、食の欧米化によって肥満が増えてきたのは、超加工食品の影響が大きいです。

2021年1月9日のNHK『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』は、「みんな大好き!ポテトチップスのお金の秘密」というテーマで、お菓子の市場規模は、3兆3909億円で、お米の市場規模は、2兆4848億円と紹介していました。

日本人で肥満者が増えたのは、ステーキや肉料理の影響もあるでしょうけど、スナック菓子やジャンクフードなどの影響が、より多いと思われます。

超加工食品には、添加物や保存料など、元々、自然界には存在しなかった人工的な物質が多く含まれています。

これらが、現代型栄養失調を引き起こし肥満も増える元凶です。

現代型栄養失調について詳しく知りたい方は、↓こちらをご覧ください。

超加工食品よりは、ご飯、麺、パンなどの方が良いです。

更に、↓これらのように、白色ではない物が理想的です。

・白米でない米(玄米やもち麦)
・白色でないパン(ブランパン、全粒粉パンなど)
・白色でない麺類(蕎麦)

また、↓これらも食べるかどうかの判断基準とも言えます。

・体重や体脂肪率が順調に減っていれば、ある程度は好きなものを食べてもOK
・運動前後の食事なら、ある程度の糖質もOK

加工食品は、亜鉛不足を引き起こし、味覚異常の原因にもなります。

これは太る悪循環に繋がります。

果糖ぶどう糖液糖も要注意!

超加工食品と重なる部分もありますが、果糖ぶどう糖液糖にも要注意です。

↓画像検索したものです。

甘い飲料水やお菓子などに多く入っていて、健康のためにも、ダイエットのためにも、【気を付けるべきものトップ3】に入るほど、気を付ける必要がある物です。

野菜ジュースや、スポーツドリンク、ドレッシングなどにも多く含まれているので、これらは要注意です。

↓ノンオイルドレッシングの原材料名の、一番最初に表記されていますね。

表記されている順番が、多く含まれている順番という決まりがあるので、果糖ぶどう糖液糖が最も多く含まれているということです。

「ノンオイル」なら体に良いというのは、短絡的で危険な考え方ですね。

普段ノンオイルドレッシングを使用している方は、すぐに栄養成分表をチェックしてみましょう。

↓関連記事です。

ジャンクフードでなくても、企業が【健康的だと思わせている】不都合な真実がある【加工食品】は、近年とても増えています。

2014年に公開された 『あまくない砂糖の話』(原題:THAT SUGAR FILM)という映画を見ると、そのことがよくわかります。↓

↑ちなみにアマゾンプライム会員だと無料で視聴可能です。



●お菓子を食べるなら、高価な物を買うのがお勧めです。

高価で美味しい物だと、早食いや、ながら食いは「もったいない」という意識が働き、しっかりと味わって食べることになり、少量でも満足度が高くなります。

また添加物や保存料など身体に悪い材料が少ないことも、お勧めのポイントです。



今回は、低糖質ダイエットの基本について紹介しました。

低糖質ダイエットを正しく行うには、気を付ける点が多いので、↓こちらの記事で、【タンパク質編】としても紹介しています。

まとめ

・炭水化物 = 糖質 + 食物繊維
・食物繊維の減らし過ぎに要注意
・1日の糖質量は【最低でも】ロカボの【70g~130g】は摂る
・一般的なコンビニのおにぎり1個の糖質量は40g弱
・【糖質の割合が50%~55%】だと、死亡率が最も低い
・GI値だけでなくGL値の存在も把握しておく
・超加工食品や果糖ぶどう糖液糖に注意
・お菓子を食べるなら、高価な物を買うのもあり

などが、この記事のまとめです。


最後に、健康的に痩せてリバウンドしないために大事な【習慣化】についてお伝えします。

食事改善も運動も【一時的にだけ】やっても、その後にやめれば無意味です。

ダイエットは、習慣化されなければ意味がありません。

↓この記事をじっくり読んで実践するだけで、痩せる習慣を身につけることが可能です。

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また、もしライザップやパーソナルジムなどを検討している場合は、オンラインダイエットがお勧めです。

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