【元ライザップのトレーナーが解説】
「スポーツジムに長年通っているけど、体重は長年変わっていない」という人が多いですよね。
そのような人達が2012年に誕生したライザップで結果が出たので、パーソナルジムが急速に広まりました。
(リバウンドが課題ですが、後半で触れます。)
なぜ【ジムで運動をしてるのに体重が変わらない】という人が多いのでしょうか?
それは【運動をすればやせる】と、間違った認識をしているからです。
これは例えば「音楽大学の受験のために、数学や体育を一生懸命頑張るようなもの」です。
頑張りどころが間違っていますよね。
音大の受験には音楽が最重要で、ダイエットには食事改善が最重要です。
↓私の経歴です。
ダイエットポリス(元警察官&元ライザップ)。『ダイエットは習慣が9割』の著者。豪華客船でトレーナー。世界一周×3回。ダイエット評論家・増戸 聡司の経歴
ダイエットは運動1割、食事9割
『ダイエットは運動1割、食事9割』というタイトルの本がベストセラーになっています。
更には、 ”図解版” や ”実践ノート” などシリーズ本も発売されています。
私がライザップで約3年間トレーナーをしていた経験から見ても、
ダイエットのためには【運動1割、食事9割】は正しいと断言できます。
体脂肪を1kg減らすにはフルマラソン5~6回!?
体重が60kgの人であれば、計算上は【フルマラソンの距離を3回】走ると、体脂肪が1kg減ります。
これは消費されるエネルギーが、体脂肪から100%使われた場合の計算なので、実際にはフルマラソン6回分くらいの距離を走る必要があります。
具体的な計算の数値は、のちほど紹介します。
1000kcalを運動で消費するのと、食事で摂取するのはどちらが簡単?
●1000kcalを運動で消費するには?
例えば体重60kgの人であれば、約17kmを走る必要があります。(歩くのでもOKです。)
皆さんは17kmを走ったり、歩いたりするのに、どのくらいの時間がかかりますか?
普段からランニングをしていない人なら、1時間半~2時間以上はかかると思います。
というよりも、17kmを走ることが出来ない人の方が多いと思います。
また歩くなら、早歩きでも3時間以上はかかりますね。
●1000kcalを食事で摂取するには?
量が多ければ、1食で1000kcalを越えることもありますね。
そして早食いをすれば、1000kcal分の食事を5分~10分もあれば、食べることが出来ますよね?
もちろん将来の健康のためには、運動も大切です。
また、カロリー計算が全て正しいわけでもありません。
しかし、これらの例を見ると、「運動よりも毎日の食事をコントロールする方が、ずっと簡単だ」ということが容易にイメージできると思います。
運動だけで体重を落とすには?
食事を変えずに運動だけで達成することは、一般的な人には、かなり難しいです。
結論から言うと、↓この2つをお勧めします。
・食事改善をして、食べ方を工夫する
・目標の期限をもっと長くする
●なぜ難しいのか?
まず体脂肪1kgを燃焼させるには【7200kcal】を消費する必要があります。
ウォーキングやランニングでの消費カロリーの目安は、「消費カロリー = 体重 × 距離」 です。
例えば体重60kgの人が10kmのウォーキングをすると、600kcalを消費できるということです。
これは歩いても走っても、同じ計算式です。
もし歩く速さの2倍の速度で走れば、半分の時間で、同じカロリーが消費されるということです。
●もしウォーキングやランニングだけで3kgを落とすとなると、
7200 × 3 = 21,600kcal を消費する必要があります。
体重が60kgの人で、距離を計算すると、
21,600 ÷ 60 = 360km です。
●一日あたりだと?
360kmを30日で割ると、毎日12kmとなります。
12kmを歩くには、早歩きでも2時間以上はかかりますね。
●運動の種類は?
ちなみに運動の種目は筋トレに限らず、球技でもダンスでも水泳でも何でも良くて、
それぞれの人が好きなものや、過去にやっていたものなどから選んでもらって構わないです。
日々、継続できるかどうかが重要ですね。
60kgの人が12kmを歩く分のカロリーは720kcalで、
これを筋トレで消費するには、やはり1時間~2時間はかかります。
(無酸素運動の場合は、運動後にもカロリーが燃焼されますが。)
毎日2時間の運動をすることは、ほとんどの社会人には難しいと思います。
そして運動量が増えると、摂取カロリーも増えることになります。
※しかもこれは、【消費したエネルギーが全て体脂肪だった場合】の計算です。
実際には、糖質もエネルギーとして使われて、体脂肪との割合は半々くらいです。
ということは、体脂肪3kg落とすには、上記の2倍の運動量が必要ということですね。
ランニングモラルハザードとは?
「今日はいつもより運動したから、普段よりちょっと多く食べても大丈夫でしょ」などという心理のことを【ランニングモラルハザード】と呼びます。
この効果も、ジム通いやランニングをしているのに、思うように痩せない人が多い理由ですね。
多くの人にとって【いつもより多い運動量】は、せいぜい100kcal程度です。
でも【普段よりちょっと多く食べる分】は、すぐに200kcalや、300kcalを越えます。↓
これでは、ランニングやジム通いをしていても、痩せないのは当然のことです。
そして大事なことは、↓この2点です。
1 落とした体重を維持するためには、この生活をずっと続ける必要がある。
2 目標体重に達したからと言って、運動をやめたら、元の体重に戻っていく。
1ヵ月で減らす目標体重は、何キロくらいが良いのか?
私もパーソナルトレーナーの資格を持っているNESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)では、
安全に痩せるためには【1週間に0.5kg〜1kg】の体重減少を勧めています。
【1ヶ月(4週間)だと2kg~4kg】となります。
大切な筋肉を減らさずに、出来るだけ体脂肪だけを減らすためには、
1ヵ月に多くても2kg減までが良いと、私は思います。
1ヵ月に1kg減でも1年で12kg減で、凄いことですし、
体への負担が少なくリバウンドもしにくいので、このくらいが理想のペースだと思います。
【ダイエットの失敗とは、痩せないことではなく、続けられない事である】とも言われています。
●1ヶ月で5%?
ネットでは、【1ヶ月で落とす体重は最大でも体重の5%までにしましょう】と書かれている記事が多いです。
しかし、もし60kgの人が1ヶ月で5%の3kg減となると、1ヶ月~2ヵ月の短期間だけなら頑張れても、その生活をずっと続けることは難しいです。
【1ヶ月で体重の5%減】というのは、リバウンドしやすいのでお勧めしません。
2021年の「健康カプセル!ゲンキの時間」で、1ヵ月で5%以上落とすのは危険と紹介していました。
●1ヵ月で2kg減らすには?
1ヵ月で2kg減らすには、1週間に0.5kgずつということです。
0.5kgを減らすには、 7200kcal ÷ 2 =3600kcal
3600 ÷ 7日 = 514kcal
1日あたり約500kcalを余分に消費する必要がある、ということですね。
そして筋肉量を落ち過ぎないようにするためには、半分の250kカロリーを食事から減らし、半分の250kカロリーを運動で消費するのが理想的だと言われています。
250kcalを運動で消費するには、60kgの人なら、4㎞のランニングかウォーキングですね。
目標達成後も、これを毎日(平均して)やるとなると、これでも難しい人も多いでしょうね。
ちなみに食事の場合は、我慢して食べる量を減らさなくても、ちょっと工夫すれば250kcal分くらいを毎日、減らすことは容易に出来ます。
それは、↓この方法です。
食事でよく噛むなど、簡単な方法だけでやせる方法は?
↓この3点をするだけで、無理なく痩せることが出来ます。
1 よく噛んで食べる
2 ストレス管理
3 食事と体重の記録
詳しいやり方は、↓こちらをご覧ください。
よく噛むなど簡単な3点だけで痩せるダイエット法。食事制限は不要!ビフォーアフターは?
ダイエットのためには、運動よりも食事を調節する方がずっと効率的ということが、わかってきたと思います。
しかし将来の健康のためには、運動も大切です。
運動は毎日でなくても良いので、コツコツと継続することが大切です。
不定期のジムよりも毎日の階段の方が、効果がある
「不定期のジムよりも毎日の階段の方が、健康維持にも減量にも効果がある」とユタ大学の最新研究で明らかにしたと、
2018年2月に放送された『林先生の今でしょ講座』でも紹介していました。
また普段よく車を使う人は、車を使う頻度を減らして、歩いたり自転車を使うようにすることも効果的です。
あとは普段から腹式呼吸を意識するとか、猫背の人は、姿勢を気を付けるということも、積み重なると大きな違いが出てきますね。
●「ジムに行くのは時間とお金の無駄!?」
これまで書いてきたように、痩せるためには運動よりも食事管理の方がずっと重要です。
【気が向いた時にだけジムに車で通って、あまり効果が無い運動をダラダラやる】という人が多いですが、
これはジムに通っていても成果が出ていない人の典型的な例ですね。
ジムと家との往復の時間を、自宅でのトレーニングに充てる方がよっぽど効果的で運動を習慣化しやすいし、無駄な出費も減らすことが出来ます。
自宅でのトレーニングの効果は?
適切に行えば、一般的なジムに長年通っている人よりも高い成果を出すことが可能です。
一例として私が書いた、↓こちらの記事を是非見てみてください。
「自重トレーニングは効果ない」は嘘!プリズナートレーニングで細マッチョ化もダイエットも可能
記事の中にも書いていますが、例えば体操の内村航平選手も「ジムでの筋トレはしていない」と様々なテレビ番組で公言しています。
↑こちらは、2017年12月22日に放送された『アナザースカイ』での一コマです。
↓またこちらの写真は、日本のテレビ番組『SASUKE』の世界版とも言える、Netflixの『アルティメットビーストマスター』という番組に、私も日本代表メンバーとしてアメリカに行った時のものです。(2016年)
↑右から2番目が私ですが、当時ジムには全く通わずに自宅でのトレーニングしか行っていません。
(自宅にぶら下がり健康器があり、懸垂はしています。)
25年以上になる私の長い筋トレ人生の中でも、ジムに通って鍛えていたのはわずか1割~2割程度の期間しかありません。
ジムで働いていた私が言うのも、おかしなことかもしれないですが、多くの人が、なりたい体型である【細マッチョ】や【くびれ女子】になるためであれば、自宅でのトレーニングだけで充分です。
ジムに行く必要があるのは、ボディビル系の大会に出たい人やアスリートだけ、と言っても過言ではありません。
2017年12月7日に片手懸垂の動画を撮ってみたので、載せておきます↓ 長さは21秒です。
まだ完全な片手懸垂ではないですが、ジムに通っている人でも、この片手懸垂を出来る人は、1000人に1人もいないと思います。
また↓こちらは、片足スクワットの動画で、長さは16秒です。
また、↓こちらはプッシュアップバーという器具を使って、効果的な腕立て伏せを解説している動画で、長さは3分です。
このように自宅でのトレーニングだけでも、工夫すれば充分な強度のトレーニングをすることが出来ます。
もしジムに行くにしても、せめてプッシュアップバーでの腕立て伏せや、片足スクワットくらいは出来るようになってからで充分です。
忙しいビジネスマンや、子育て中の母親も、自宅での数分間だけで、効果が高いトレーニングが可能です。
更には、金銭的に余裕がない若い人達や、又は引きこもりの人達でも、自宅トレーニングと食事管理だけで、余分なお金をかけずに誰でも【細マッチョ】や【くびれ女子】になることが可能です。
なぜパーソナルジムでリバウンドする人が多いのか?
パーソナルジムでは、体重を短期間で落とし過ぎる人が多いので、その分リバウンドする人も多いことが問題です。
もし金銭的に余裕がある方であれば、パーソナルジムに永続的に通うことが可能ですが、ほとんどの人にとっては、現実的ではありません。
●なぜリバウンドするのか?
短期間で急激に減量しすぎることの他にも、下記のような理由で、リバウンドをする人が続出しています。
・間違った糖質制限やカロリーコントロールで筋肉量も減ってしまう。
・厳しすぎる食事管理でストレスがたまり、反動で沢山食べてしまう。
・トレーナーの経験が浅くて、教えることが出来ない。
●リバウンドを防ぐ方法は?
老子の言葉で、↓このようなものがあります。
【人に魚をあげれば彼は一日食べさせられるが、釣り方を教えれば一生食べさせられる】
この考え方は、リバウンド防止にも関係します。
トレーナーに言われたことを実践するだけでも、確かに痩せることは可能です。
しかし、痩せる仕組みを理解せずに受け身の状態のままだと、 ジム通いを辞めた途端に、リバウンドする恐れが高くなってしまいます。
そもそもダイエットとは、【一時的なものではなく一生続く生活習慣】です。
自己管理出来るようになることが重要です。
食事を自己管理できる能力は、一生涯にかけて役立つ技術であり、同時に財産でもあります。
安い費用で、しかもジム通い無しで、自分自身で食事管理が出来るようになりリバウンドもしない、
ということに興味がある方は、↓こちらのオンラインダイエットの比較記事をご覧ください。
↓こちらは私のオンラインダイエット指導で痩せた方のビフォアアフターです。
まとめ
・ダイエットは運動1割、食事9割
・体脂肪を1kg減らすにはフルマラソン5~6回!?
・1000kcalを消費するには2時間~3時間!?
・1000kcalを摂取するのは、早食いなら5分!
・運動だけで痩せることは困難
・短期間で痩せるほどリバウンドする
・1ヵ月に1kgずつくらいのゆっくりのペースで痩せる!
などがこの記事のまとめです。