世界の5大長寿地域ブルーゾーン式ダイエットとは?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

世界の5大長寿地域「ブルーゾーン」とは、世界的に見て「特異的に長寿者が多い特殊な地域」のことです。

具体的には、イタリア・サルデーニャ島、 日本・沖縄、アメリカ・カリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカ・ニコジャ半島、ギリシャ・イカリア島の5ヵ所を指します。

「ブルーゾーン」の由来は、研究者が地図上でこれらの地域に青いマーカーで印をつけたことです。

この記事では、『The Blue Zones(ブルーゾーン)2nd Edition 世界の100歳人に学ぶ健康と長寿9つのルール』という本の中で紹介されている健康長寿を紹介し、さらにダイエットにも関連が深い事柄に、私の見解を加えて紹介します。

ちなみに↑「100歳人」はセンテナリアンと読み、100歳以上の長寿者を指す言葉です。

私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。


近年のダイエット事情は、体重ばかりを重視して健康状態を考慮しない「偽物のダイエット」が氾濫しています。

しかし「本来のダイエット」は、健康状態が良くなる(又は維持する)ことが大前提です。

ブルーゾーンの生活習慣を知ることは、「本来のダイエット」をするうえでも役立つことが非常に多いです。

↓私の経歴です。

※本ページは広告やPRなどが含まれています。

ブルーゾーンとは?

ブルーゾーンという言葉は、イタリアの疫学者で医師のジャンニ・ペスがイタリアのサルディーニャ島を指して作った言葉が初出です。

今回参考にした本は、↓こちらの「2nd Edition」というバージョンで、2022年11月に発売されたものです。

『The Blue Zones(ブルーゾーン)2nd Edition 世界の100歳人に学ぶ健康と長寿9つのルール』

元々の本は『The Blue Zones~世界の百歳人(センテナリアン)に学ぶ長寿の9つのルール~』(ダン・ビュイトナー著)で、2008年に全米ビジネス書でベストセラーとなり、 ブルーゾーンが世界中に知られるようになりました。

著者のダン・ビュイトナーは、『ナショナルジオグラフィック』誌のライターであり冒険家です。

彼は統計的に世界で最も長寿の地域にこの地理的な用語を拡大し、 日本の沖縄、米国カリフォルニア州のロマ・リンダ、コスタリカのニコヤ、ギリシャのイカリア島を加えてブルーゾーンと発表しました。

また本が発売される前に、ナショナルジオグラフィック誌2005年11月号にThe Secrets of Living Longer”(長寿の秘密)という特集が組まれ、世界中にインパクトを与えました。

健康長寿は遺伝よりも生活習慣が大切

デンマークの双子を研究した調査によると、長寿の要因のうち遺伝子に左右されるのは25%で、あとの75%はライフスタイルや日常生活で選択する習慣が関わっているとのことです。

もちろん生まれ持った遺伝子は、どうすることも出来ないので、結局は生活習慣が最重要ということになります。

ブルーゾーンの地域で暮らす長寿の方達の秘訣も、代々伝わる遺伝子の影響よりも、生活習慣の影響が大きいということです。

ちなみにダイエット業界では、遺伝子検査が広まりつつありますが、現時点では一般人のダイエットには不要だと思われます。

↓関連記事です。

①イタリア・サルデーニャ島の長寿の秘訣

ブルーゾーンに最初に認定されたのがイタリアのサルデーニャ島です。

研究者たちは何度も現地に足を運び、役場で戸籍を調べたり、多くの長寿者にインタビューをするなど様々な調査をし、専門誌に論文を発表して認められました。

まずサルデーニャ島の場所は↓こちらで、面積は四国の1.3倍ほどです。


島の中でも中央部の山岳地帯バルバギア地方に住む男性に、百歳人(センテナリアン)が特異に多いそうです。

調査によると1880年~1900年の間に生まれた1万7685人のうち、100歳の誕生日を迎えたのは男性が47人で女性が44人でした。

統計的には、男性で100歳になる比率をアメリカと比べると、30倍になるそうです。

また男女比は国際平均でいえば、女性44人に対して男性は10人程度となるので、47人というのは極めて特異とのことです。

ここの男性が長寿である理由は、よく坂道を歩く、地域の住民とのコミュニティがある、などが考えられるようです。


●サルデーニャ島で男女の区別が関係ない、健康と長寿の共通点は、次のようなことがあります。

・伝統的な食物
 全粒粉パン、豆類、野菜、果物などが主体で、牧草を食べて育つ羊の乳を原料にしたチーズを伝統的に食べている。
 肉は、日曜日や特別な時には食べている。

・家族を最優先にし、長寿者を大切にする文化がある。

・よく歩く。特に坂道を歩くことは良い。

ちなみに坂道が多い地域の人たちは、健康寿命が長いという調査結果もあります。

日本でも、2020年時点における全国の市区町村の平均寿命ランキングで男女とも1位になった、神奈川県川崎市麻生区は、坂道が多いことが大きな理由とも言われています。

『長寿な市区町村ランキング 川崎市麻生区、長生きの秘密は「坂道歩き」と「趣味の充実」』


・赤ワインを1日に1~2杯だけ飲む。

 近年は「アルコールは全く飲まない方が良い」という説が有力ですが、少量であれば人との繋がりが増すなど、総合的に見てプラスになることもあるのでしょうね。


ちなみにサルデーニャでは1960年頃には肥満現象がほとんど見られなかったのですが、近年では若者の15%が肥満とのことです。

これは昔ながらの長寿文化が薄れて、欧米のライフスタイルが入ってきている影響だと思われ、近年は世界各地で起こっています。

②日本・沖縄の長寿の秘訣

「沖縄が長寿県だったのは昔のことで、近年はそうでもない」・・・と思っている人も多いのではないでしょうか?

確かに「2020年都道府県別生命表」で、沖縄県の平均寿命は男性が80.73歳で43位(ワースト5位)、女性は87.88歳の16位となっています。

しかし年齢別で見る平均余命では、沖縄の75歳は男性が全国2位、女性は全国1位で上位に位置しています。

ただし20歳・40歳では男性が43位、女性は15位で、若年者ほど寿命が短くなる傾向が示されています。

また令和2年の市町村別の女性ランキングでは、沖縄県の中頭郡北中城村が15位、豊見城市が19位と上位の方にランクされています。

ブルーゾーンの研究班も、沖縄では主に本島の中部や北部の地域を調査していたようです。


●沖縄の百歳人たちは、次のような習慣を身につけていたそうです。

・生きがいを持つ
 ブルーゾーンで沖縄が紹介されたことで、「ikigai」という言葉も世界に広がったようです。

・植物性食品が主体の食生活
 沖縄は豚肉をよく食べるイメージが強いですが、百歳人たちが豚肉を食べる頻度や量は多くないそうです。

・農作業をする
 体を動かすことと新鮮な野菜を食べられるということで、一石二鳥や一挙両得とも言えるでしょうかね。

・大豆製品を沢山たべる

・近所付き合いを続ける:沖縄の伝統である模合(もあい)という制度が、長寿と繋がりがあるようです。
 模合とは、複数名でグループを作り、そのメンバーで定期的に集まって飲み会を開いたり、一定額の金銭を出しそれを1人ずつ順番に受け取っていくシステムなどのことです。

 沖縄では、このような相互扶助の精神を「ユイマール」と呼んでいます。

 このように、人や地域社会との繋がりがあることは、先程紹介したサルデーニャ島と共通していますね。

 ちなみに健康長寿県である山梨でも、模合と似たような無尽というシステムがあります。


・他には、日光を浴びる、よく体を動かす、薬用にもなる菜園を作る、強い意思を持つ、などという項目も載っていました。

また本の「まとめの欄」に載っていない項目で、本文に載っていた大切なキーワードは「腹八分」です。

腹八分は、この記事の最後に紹介する「5ヵ所のブルーゾーンに学ぶ健康と長寿の9つのルール」に含まれているので、詳しくはそちらで紹介します。

③アメリカ・ロマリンダの長寿の秘訣

ロマリンダは人口2万1000人ほどの町で、カリフォルニア州に属し、ロサンゼルスの東約90kmに位置します。↓

ロマリンダに長寿者が多い理由は、ずばり宗教です。

というのもこの町は、キリスト教の一会派セブンスデー・アドベンティストが中心となって作られているのです。

町に9000人ほどの信徒がいるそうなので、人口の42.8%もいるということですね。

この宗教の教えに沿った生活スタイルや食習慣によって、長寿者が多いということです。

その教えとは、喫煙しない、お酒を飲まない、カフェインや刺激性のあるものを摂取しない、基本的には採食主義(もし食べるなら控え目に)、などです。

これらを見るだけでも、健康長寿になりやすいことは、容易に想像できますよね。


●他にロマリンダの人々の生活で、長寿と関連する事柄を紹介します。

・安息日(金曜の日没~土曜の日没)は家族、神様、愛する仲間たち、自然とともに過ごす時間となっています。
 このおかげでストレスから解放され、信徒同士のネットワークを強め、継続的に運動もできているそうです。

 人や社会との繋がりを大切にしていることは、サルデーニャ島や沖縄とも共通していますね。

 またセブンスデー・アドベンティスト教会でも多くの宗教と同じく、会員がボランティア活動に参加しているそうです。

 調査班がインタビューした百歳人もボランティアを続けていたとのことで、目的意識を持ち、他人に手を貸すことに励めばうつになることはない、とのことです。


・健康的なBMIを維持する。
 アメリカは肥満大国ですが、信徒たちは健康的なBMIを維持しているそうです。

 ちなみに私は旅行でユタ州のソルトレイクシティに行ったことがあるのですが、この町もロマリンダと共通する点(禁煙、禁酒、禁カフェインなど)が多々ありました。

 理由は、この町には末日聖徒イエス・キリスト教会(通称:モルモン教会)の総本山があり、同教徒が州民の約6割を占める宗教色の強い州だからです。

 実際に訪れてみて、他のアメリカの都市と比べて、太っている人が明らかに少ないと思いました。

↓当時のことを書いた記事です。


・夕食は早めに軽く
 「朝食は王様のように、昼食は王子様のように、そして夕食は貧者のように」という言葉があります。

 このような食事スタイルをアメリカの栄養学者エイデル・デイヴィスが推奨したそうですが、ロマリンダの信徒たちはこの通りの食習慣だそうです。

・他には、定期的に運動をする、スナックにはナッツを食べる、水分を十分に摂る、などの項目も載っていました。

④中米コスタリカ・ニコジャ半島の長寿の秘訣

ニコジャは中米コスタリカの太平洋側に面する半島に位置し、人口は約4万7000人の町です。

中米の国々は発展途上の地域が多いので、平均寿命はあまり長くないのですが、コスタリカの男性は世界の先進国の男性よりも長生きしているそうです。

そしてニコジャの人々は過去四世紀にわたって、他の地域と比較的隔離されて暮らしてきたため、コスタリカの他の地域と異なり、先住民の影響を強く受けた昔ながらの生活を続けている人が多いようです。


●コスタリカ・ニコジャの百歳人に共通する健康と長寿のルールは次の通りです。

・人生の目標を持つ

・家族を第一に考えている

・夕食は軽く

・地域住民との繋がりが濃い

・よく働く

・適度に太陽を浴びる

・伝統文化を大切にする

・硬水を飲む
 ニコジャの水には、カルシウムが多く含まれているそうです。

とのことで、最後の硬水のこと以外は、既に紹介してきた他のブルーゾーンと共通することが多いと思いました。

⑤ギリシャ・イカリア島の長寿の秘訣

イカリア島はエーゲ海にあり、ギリシャの首都アテネから東に約210kmに位置し、隣国トルコの西海岸からは約48kmの距離です。

面積は 255.3km²で、石垣島(222.2km²)より少し大きく、人口は 8,423人(2011年現在)です。

ちなみに石垣島の人口は47,660人(平成27年)で、イカリア島の人口密度は低いことが分かります。

イカリア島は島全体がほとんど山で、広い平地は少なく、僻地とも言えるようです。

そして15km東にあるサモス島(ピタゴラスの出身地)は高層ビルやリゾートとして発展していますが、イカリア島は地形的な理由などであまり発展していないそうです。

そのために伝統的なライフスタイルを維持する人が多く、長寿に繋がっているとも考えられています。


●イカリアの百歳人に共通する健康と長寿のルールは次の通りです。

・ヤギのミルクを飲む

・山の生活のため、日常生活で自然と運動になっている

・地中海風の食事

・家族や友人と一緒にハーブティーを飲むことを楽しみにしている

・家族や友人を優先し、地域社会との繋がりを大切にしている

・昼寝をする

・定期的な断食

最後の断食については、日本でダイエットビジネスとして行われる酵素ドリンクのファスティングや、少し前に流行った16時間断食などとは全く別のものです。

イカリア島には伝統的にギリシャ正教の教徒が多く、この宗教で行う断食は、ざっくり言うと「動物性の食品を断つというのが主」だそうです。

↓参考情報で、アテネ在住でギリシャ料理を研究しているアナグノストゥ直子さんのnoteです。

『ギリシャの断食期間の話』
https://note.com/girisyagohan/n/n43a656f6f183


ちなみにイスラム教徒たちが行う断食・ラマダンは「日が出ている合間の飲食を絶つ」というものですね。

日本でSNSなどで見る「ダイエットや健康目的」と宣伝しているファスティングは、いわば「ビジネス断食」や「ファスティング商法」と言えるもので、大抵は酵素ドリンクの販売が目的のビジネスです。

痩せるどころか逆に「太りやすい体」になるので、ダイエットや健康目的でやるのは間違いです。

5ヵ所のブルーゾーンに学ぶ健康と長寿の9つのルール

①適度な運動を続ける

ブルーゾーンの長寿者たちは、運動といってもジムに通ったり、専用のシューズとウエアでウォーキングをしたりするわけではありません。

坂道などを歩いたり畑仕事をしたりという、ちょっとした運動が日常生活の中に組み込まれているのです。

厚生労働省の「身体活動指針(アクティブガイド)」では、「身体活動」を「運動」と「生活活動」とに分けて考えています。

そして「生活活動とは、日常生活における労働、 家事、通勤・通学などの身体活動を指します。」と表記していますね。

ジムに入会して最初は頑張って通っても、徐々に足が遠のき、幽霊会員になる人も多いのが実状です。

またランニングを始めても、やはり継続できる人は多くありません。

よほど運動好きな人や、運動を継続できる一部の人以外は、ブルーゾーンの長寿者のように日常生活の中での活動(生活活動)の量を増やす方が、習慣化や長寿に繋がります。

具体的には、車の使用を減らし歩数を増やしたり、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使うなどがお勧めです。

ダイエットの観点からも、「不定期のジム通いよりも日常生活での階段の方が痩せる」という調査結果もあります。


また「1時間座るごとに寿命が22分短くなる」という研究結果もあるので、日常生活で座っている時間が長い人は、減らすことを心掛けるのもお勧めです。


ダイエットと身体活動について詳しくは、↓こちらをご覧ください。

②腹八分で摂取カロリーを抑える

研究班が取材した沖縄の長寿者たちは、食事の前に「腹八分」と唱えていたとのことです。

腹八分目という言葉は、元々は孔子の教えに基づく格言で、現代の日本でも広く知られていますね。

アメリカ人の多くが満腹感を得るまで食べ続けるのに対し、腹八分の影響によって沖縄の人たちは空腹感が無くなった時点で食べることをやめる、とのことです。

そして調査班の研究者は、腹八分の習慣は、「苦痛を伴わないカロリー制限」と考えているそうです。

なお沖縄の老人たちが摂取する1日のカロリーは1900kcalほどで、サルデーニャ島の人達も2000kcalほどなので、沖縄以外のブルーゾーンの人達も満腹までは食べていないのだと思われます。

もちろんカロリー量だけでなく、中身も大切であることは、↓この画像を見ると一目瞭然ですよね。

本で紹介していた例は、「ハンバーガーとポテトフライ」と「沖縄の豆腐と山盛り野菜のチャンプルー」は、ほぼ同じボリュームだけど、後者のカロリーは5分の1しかない、というものです。

また調査班が会った百歳人には、ダイエットをした人は1人もいなく、太り過ぎの人もいなかったそうです。


腹八分を習慣化するためのコツとして、次のようなことを紹介していました。

・小さめの器を使う
・ゆっくりと食べる
・食事に専念する
・食事はテーブルで食べる
・食事は早い時間帯に

これらは、私が普段ダイエット指導をしている際にも重視していることが多く、特に「よく噛んでゆっくり食べること」はダイエットにおいても非常に大切です。


ちなみにブルーゾーンで腹八分が紹介されたことによって、海外では「harahachibu」という言葉が広がったそうです。

実際にGoogleやInstagramなどで「harahachibu」と検索すると、↓このように海外の方の投稿が出てきます。

③植物性食品を食べる

ブルーゾーンの長寿者たちは、肉を全く食べないわけではないですが、多くの人たちは月に数回程度しか食べないようです。

彼らを見習うには、肉の摂取を週2~3度に制限しましょう、と紹介されていました。

また長寿者たちの多くは、加工食品、炭酸飲料、スナック類などを食べる習慣がありません。

代わりに、野菜、果物、豆類、全粒穀物、などを多く食べています。

ブルーゾーンの長寿者たちは、野菜を毎食で少なくとも2種類、1日では4~6種類を摂っていたそうです。

やはり私もダイエット指導をしていて、「加工の度合いが高い食品」を摂取は少な目にし、自然な食品を多く摂ることを推奨しています。

↓関連記事です。

④適度に赤ワインを飲む

「適度に」とは、「1日に赤ワインを1杯か2杯まで」とのことです。

これ以上だと、逆に長寿から遠ざかる可能性が高いです。

またワインそのものの健康効果よりも、ワインを飲むことによって、人との交流や楽しい時間を過ごすこと、食事をゆっくり摂ることなどの方が、健康長寿に関与しているようにも思います。

そして近年は「アルコールは全く飲まない方が健康に良い」という説が有力だと思われるので、全く飲まないことも考慮して、各人の健康状態を見ながら0杯~2杯くらいにするのが良いと思います。

もちろんダイエットでも、お酒は1~2杯くらいまでに抑えると、痩せやすくなります。

⑤はっきりした目的意識を持つ

沖縄では「生き甲斐」、ニコジャでは「人生の目標(プラン・デ・ビーダ)」と呼び、言葉の本質は「朝、目覚める理由」と置き換えられるとのことです。

アメリカ国立衛生研究所の基金による研究で、「目的意識と長寿との関連」を調査した報告があります。

これによると健康な長寿者は、人生における明快な目的を持っている人が多い、ということが判明しました。

また朝、起きた時に何か特別の感慨を感じるものを持つ人たちは、何もない人たちよりも長生きし、頭も明晰だったそうです。

目的意識を持つことは何事においても重要で、ダイエットでも非常に大切なことですね。

⑥人生をスローダウンする

日本でも沖縄に限らず田舎に行くと、都心部と比べて時間がゆっくり流れているのを感じることがあると思います。
(現在の那覇中心部などは、都会だと思いますが)

ブルーゾーンの地域の生活では、慌ただしい毎日ではなく、家族や友人との交流や自然と触れる時間を大切にしています。

これにより慢性的なストレスから解放されて、健康長寿に繋がるのだと思われます。

私のダイエット指導の経験からも、仕事が忙しいなどで食事をゆっくり食べることが出来ないような人は、慢性的なストレスもあり痩せにくい傾向があると感じています。

ストレスのコントロールは健康やダイエットにおいても、非常に大切なことです。

人生をスローダウンするために欧米の先進国では、瞑想やマインドフルネスなども広がっています。

これに似た要素があるもので、日本ではヨガも広まっていますね。

ヨガの動きをすること自体の痩せる効果は低いですが、もしストレス解消になる人であれば、間接的にダイエットに繋がることもあります。

⑦信仰心を持つ

ロマリンダに長寿者が多い理由は宗教であり、サルデーニャやニコジャの人たちのほとんどがカトリック教徒です。

そして「沖縄の人は祖先崇拝を重んじる複雑な信仰心を持っている」とのことです。

大抵の宗教では、喫煙や飲酒などの不健康なことに否定的で、寄付やボランティアなど世の中のためになる活動を推奨しています。

このことは健康長寿への影響もあって当然だと思われます。

大切なことは、健康的な生活を重視するようなコミュニティに属したり、教会の礼拝など何らかの理由で外出することです。

これらによって、ストレス緩和や身体活動量の増加などに繋がっているのだと思われます。

それなので、必ずしも何らかの宗教に属さなければいけない、というわけではないでしょう。

気の合う人たちがいるコミュニティに属したり、ボランティア活動など何らかのことで、高齢になっても社会や地域と繋がり続けることが大切です。

これはルール⑨に繋がります。

⑧家族を最優先にする

5つのブルーゾーンのうち4箇所では、若い世代が長寿の世代を喜んで家に迎えている、とのことです。

調査によれば、子ども世帯とともに住む高齢者は病気にかかりにくく、より健康的な食事をしていて、ストレスは少なく重大な事故に遭う危険性もかなり低いそうです。

また家族とともに生活していた高齢者は、頭脳明晰で社会生活にもうまく溶け込んでいたとのことです。

日本でも独居老人や子どもたちの孤食や個食などが問題になっていますが、世界の先進国でも問題になってきているようです。

家族を優先にするために本の中で勧めているのは、下記のようなことです。

・1日に1度は家族そろって食事をする
・家族そろっての休暇を年中行事にする
・祝日は、目的を持って祝う
・毎年、家族写真を撮って部屋の決まった壁面に並べて貼っていく

⑨人とつながる

本によると、「おそらくこれが、ライフスタイルを改善するうえで最も強力なポイント」とのことです。

2018年に放送されたNHK『スーパープレゼンテーション』は「長寿の秘けつ」がテーマで、サルデーニャ島での調査を紹介していました。

この放送でも「死亡リスクを減らす効果が大きいこと」のランキングで、1位が「Social Integration:社会への溶け込み」で、2位が「Close Relationships:親しい関係」だと紹介していました。

↑このランキングを見ると、3位の「煙草をやめる」や7位の「運動」よりも、ずっと重要度が高いことが分かります。

ちなみに4位の「Quit Boozing」は「お酒をやめる」という意味です。


社会的つながりと長寿に関する調査を続けているハーバード大学のリーザ・バークマン教授によると、「社会的つながりの多い人ほど長命」であることが分かっているそうです。

ちなみに、何らかの繋がりがあれば、その密度は長寿との関係は無かったそうです。

なお配偶者や大事な人が亡くなっても、違った形の社会的なつながりで補うことも出来るようです。

一般的に男性よりも女性の方が健康長寿である理由は、女性の方が社会的につながり、支え合うことに優れているから、とも言われている通りですね。

私は2018年から時々、豪華客船にフィットネストレーナーとして乗船しているのですが、確かに船上でも女性の方が積極的に交流したり、健康的で若々しいという傾向があるように思います。

なおクルーズに参加することは、「⑥人生をスローダウンする」ことにも繋がると思います。

ちなみに私は2010年と2012年に、乗客として世界一周の船旅に参加したこともあります。


また本には、社会的ネットワークの影響力について、興味深い事例が紹介されていました。

1万2067人を32年間、追跡調査し結果、「友人が肥満になると、当人も肥満になる傾向がある」とのことです。

さらに親友の間柄だと、1人が肥満になると相方も肥満になる可能性が3倍になり、痩せる場合でも同じような影響があるようです。

健康的な生活習慣を心掛けている人や、ブルーゾーンの秘訣を理解している人たちとの交流があると、健康長寿にも繋がるということです。

本では「強い絆を築くのは努力が必要だが、やがてたっぷり見返りがくる投資だといえる。毎日、出歩くことにしよう。」と紹介していました。

以前、NHKの『きょうの健康 特集 老化 ~筋肉が衰えると~』という番組でも、健康長寿のためには食事や運動だけでなく「文化活動やボランティア活動などの社会参加がとても大切」だと紹介していました。

まとめ

この記事では、世界に5ヵ所ある各ブルーゾーンの特徴や、数か所に共通する健康長寿のルールを紹介しました。

より詳しく知りたい方は、ぜひ↓本も読んでみてください。

『The Blue Zones(ブルーゾーン)2nd Edition 世界の100歳人に学ぶ健康と長寿9つのルール

ブルーゾーンの人々に共通する生活習慣は、普段から私がダイエット指導をしている内容との共通点も多々ありました。

「本来のダイエット」は、健康であることが大前提なので、これは当然のことだと言えます。

健康になるライフスタイル・食習慣に変えていけば、肥満体型の人は自然と標準体型になっていくものです。

「どうやったら体重が減るか?」を考えるよりも、「どうやったら健康状態が良くなるか?」を考える方が、結果的にダイエットが上手くいきます。

ただし痩せるペースは、緩やかです。

冒頭にも書きましたが、近年のダイエット事情は、体重ばかりを重視して健康状態が悪化する、「偽物のダイエット」が氾濫しています。

「短期間で大幅に体重を減らすほど良い」というような、危険で間違った風潮もあります。

その結果、一時的には体重が減っても、心身に不調をきたしてリバウンドし、逆に太るという人が多いです。

ダイエットは「急いで体重を減らそうとしないこと」が大切です。

生活習慣も、一気に変えようとする必要はありません。

健康長寿になりたい人も健康的に痩せたい人も、この記事で紹介したことを、無理なく出来ることから1つずつ試してみると良いと思います。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。


ダイエットでも健康でも、習慣が最重要です。

何か1つの「〇〇だけ」で、誰もが痩せたり健康になったりすることは出来ません。

LINEのオープンチャットで「ダイエットは習慣が9割」というグループの管理者をしています。

どなたでも気軽に参加してください。

この記事で「健康意識が高い人と繋がっておくと健康長寿になりやすい」とお伝えしました。

もちろんリアルで繋がること方がより良いでしょうけど、まず?ネット上で繋がっておくのも良いと思います。

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また、もしライザップやパーソナルジムなどを検討している場合は、オンラインダイエットがお勧めです。

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