ダイエット中におすすめのお酒、量、飲み方とは? 蒸留酒やワインは太らない?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

・「お酒は太るので、ダイエット中は飲まない方が良い?」
・「焼酎やハイボールなど蒸留酒なら太らない、と聞いたけど本当?」
・「ワインは痩せる、と聞いたけど本当?」

などという質問をよく受けます。

回答は↓こちらの通りですが、 後から詳しく解説します。

・「お酒が好きならやめる必要は無い。そもそも “ダイエット中だから~” という考え方が、ダイエットを失敗する原因」
・「蒸留酒でも摂取量が多ければ太りやすくなる」
・「ワインも飲みすぎれば太る」


私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

詳しい経歴は、↓こちらをどうぞ。

ダイエット中はお酒を飲まない方が良い?

ダイエットは「短期的なイベント」ではなく、「一生続く生活習慣」です。

「短期的なイベント」だと思っていると、一時的に痩せても結局はリバウンドします。


それなので、↓これらのような考え方が、そもそも間違いです。

「今はダイエット中だから・・・」
「明日からダイエット!」
「ダイエットが終わったから・・・」


ダイエットは1~2ヵ月など短期間だけ頑張っても、その後に以前の生活に戻せば体重も体型も元に戻るので、短期的なダイエットは無意味です。

実際には、無意味どころかマイナスであることが多いです。

理由は、リバウンドで同じ体重に戻っても、以前より筋肉と代謝量が減り、体脂肪が増えることが多いからです。


それなので、「ダイエット中はお酒をやめるのが良いですか?」の答えは、↓次のようになります。

・「一生飲まないでも平気なら、やめるのが良い」
・「お酒が好きなら、やめる必要は無い。ストレスにならない範囲で減らすだけで構わない」
・「反動で酒量が増えなければ、試しに1週間だけやめてみる、というのはOK」

お酒を飲むと太るメカニズムとは?

アルコールのカロリーは、1gあたり約7kcalとされています。

またアルコールのカロリーは熱として発散されるので「脂肪として蓄えられることは、ほとんどない」とも言われています。

「それなら、いくら飲んでも太らないのでは?」と思うかもしれないですが、もちろんそんな甘い話はありません。



【お酒を飲むと、体脂肪の分解がストップされる】

アルコールの代謝に酵素やエネルギーが使われてしまい、一緒に摂取したおつまみの脂質や糖質が代謝されず残り、脂肪として蓄えられていきます。

もしおつまみが無くても、本来代謝されるはずの体脂肪の代謝がストップされるので、飲酒自体が太りやすい行為です。

もちろん、すきっ腹でお酒を飲むのは胃や肝臓へのダメージが大きく、また酔いやすくなるので、やらない方が良いです。


●【アルコール摂取によって中性脂肪が増える】

アルコールが肝臓で分解される時に、中性脂肪の原料である脂肪酸を作る働きも高まるため、中性脂肪が増えてしまいます。

このことを2023年4月2日放送の『健康カプセル!ゲンキの時間』で紹介していました。↓


更には、酔うことによって、↓このようなことに繋がるのも、太りやすくなる要因です。

・食欲が増進し、食べる量が増える
・理性が失われて、ドカ食い
・飲んだ後のシメのラーメン

酒は百薬の長」は嘘?

「お酒を全く飲まないよりも、少し飲む方が健康に良い」と長年、言われてきました。

しかし「実はこの情報は間違い」という説が濃厚です。

2017年12月放送の『林先生の初耳学』で【酒は百薬の長はウソだった! 研究方法に大きな誤りがあった。】と紹介していました。↓

「病気でお酒を飲めない人」も「全くお酒を飲まない人」に含まれていたから、とのことです。

結局は、アルコール量が多いほど死亡リスクが上がり、↑右肩上がりのグラフになるそうです。↑

↓こちらの記事でも紹介しています。

蒸留酒なら太らない?

ダイエットのためには「糖質が多い日本酒やビールよりも、糖質が少ないハイボールやウイスキー、焼酎などの蒸留酒を飲む方が良い」
・・・という話が広まっています。

私がライザップでトレーナーをしていた時も、上記のことに関連して、次のように説明していました。

・日本酒やビールは×
・蒸留酒は〇
・ワインは△


しかし先ほど「お酒を飲むと太るメカニズム」で紹介したように、アルコール自体が太りやすくなる要因なので、蒸留酒でも量が増えるほど太りやすくなります。

蒸留酒よりビールや日本酒が好きな人であれば、「ダイエットのために蒸留酒を飲む」よりも、好きなお酒を適量だけ飲む方が良いですね。

ワインは太らない? フランス人はワインを大量に飲んでいても健康?

「ワインは血糖値を下げるので、他のアルコールと違って痩せる」という説があります。

しかしこれを鵜呑みにしてワインの量を増やすと、痩せるどころか逆に太ると思われます。


「フレンチパラドックス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

これは「フランス人は動物性脂質をたくさん摂っているにも関わらず、なぜか心臓血管系の病気になりにくい」という逆説です。

この逆説を説明する理由として「赤ワインを飲んでいるから」と長年、信じられてきました。


しかし2021年にフランス国立衛生医学研究所が、フレンチパラドックスを否定しました。

そして「適量の飲酒が全く飲酒しないことよりも健康に良い」のではなく、「適量の飲酒は、過度な飲酒よりもリスクが低くなる」のが正しい解釈だと強調しました。

やはり「酒は百薬の長」は間違いだったということです。


それでは「ワインを適度に飲む人はビールや蒸留酒を飲む人、更にはお酒を飲まない人よりも死亡率が低い」という話はどこから来たのでしょうか?

大きな要因は、「ワインを飲む人は、脂身が少ない肉や野菜を好んで食べているから」だと考えられます。


デンマーク国立公衆衛生研究所がスーパーマーケットで調査したところ、↓このような傾向があったそうです。

・ワインをよく飲む人がよく買う物は、野菜、果物、鶏肉、低脂肪肉など。
・ビール党の人がよく買う物は、ポテトチップス、ソーセージ、パン、菓子類など。


ワインを飲む人は健康志向が高い傾向があるので、食事に気を使っているというわけです。

ワインが健康に直結するのではなく、一緒に食べる物の影響の方が大きいようです。


↓こちらの本にも、この件が詳しく載っていました。

↓この本は、なかなか高額ですが、とても良い学びを得られてお勧めです。

お酒の適正量とは?

イギリスのケンブリッジ大学などが19ヵ国の約60万人を対象に行った研究で、死亡リスクを高めない飲酒量は、純アルコールで1週間に約100gが上限 という調査結果があります。

「純アルコールが100g」というのは、1週間でワイン1本分くらいの量です。

毎日飲むとすると、1日にグラス1杯くらいが目安ということになります。

ちなみに「純アルコールが100g」というのは、ビールの場合はレギュラー缶(350ml)が5本ほどで、日本酒の場合は3.5号ほど(1合が180ml)の量です。

参考情報:厚生労働省のサイト『e-ヘルスネット』の「飲酒量の単位」

もちろんアルコールの分解能力は、個人差が大きいので「あくまで目安」です。


また厚生労働省では、「節度ある適度な飲酒」の目安として「1日平均20g程度」と示しています。

健康やダイエットを重視するのであれば、1日に20gまでにして更に休肝日を2日以上設け、1週間で100gまでに抑えるのが良いと思います。

入眠のための飲酒は危険。アルコール依存症?

「眠りやすいので、お酒を毎晩飲んでいる」という人もいますが、これは危険です。

確かに入眠はしやすくなるかもしれないですが、確実に睡眠の質が下がるので、この習慣はやめる方が良いです。

睡眠の質はダイエットにも健康にも、非常に重要です。

↓参考の記事です。


ちなみに「お酒を飲まないと眠れない」というレベルだと、既にアルコール依存症だと思われます。


2020年6月22日のNHK『あさイチ』は、「もしかして・・・依存症?」というテーマで、アルコール依存症のことも取り上げていました。↓


飲酒量を減らす具体的な方法を、何種類も紹介しています。↓

↑これらの方法は、アルコール依存症でない人にもお勧めだと思います。

痩せたくてアルコールを減らしたい人も、↑これらを実際に試してみると良いと思います。



また『マンガで分かる心療内科 依存症編(酒・タバコ・薬物) 』という本も、アルコール依存症を脱却するのにお勧めです。

依存を脱却するために実用的だと思ったことを、本の中から1つ紹介します。

多くの依存者は、依存ということを認めない傾向が強いのですが、1つの判断基準で、

「もし、あなたの子供が同じことをしたら、応援するかどうか」を考えてみると良い、というものです。

この基準で考えると、客観的に冷静な目で見る事が出来ます。



また依存症を抜け出せないのを、「意志が弱いから」と思うのは間違いです。

これはダイエットが上手くいかないのを「意志が弱いから」と思うのが間違いなのと同じことですね。

ちなみにこの本では、
「お酒を減らすことは最もつらい選択」で、
「依存は完全に断ち切る方が、ずっとラクにやめられる」

と紹介しています。

興味がある方は、読んでみることをお勧めします。



●【ストレス解消でお酒を飲むのは太る!】

この自覚がある人は、何らかの改善をしないとダイエットの成功は難しく、もちろん健康を害する恐れも高いです。


解決法をいくつか紹介します。

・他の事でのストレス解消法を把握し実践する
→運動でなくても構いません。一般的な趣味である読書や音楽鑑賞など、何でも良いです。

・お酒を試しに1日やめてみる
→最初から「1週間禁止」などだとハードルが高すぎる場合は、まずは1日限定でやめてみるのも良いですね。

・ストレスがたまらないようにする

↓関連記事です。

ノンアルコール飲料でも酔っぱらう?

2020年2月に放送された『NHKスペシャル食の起源 第4集「酒」』で
【ノンアルコール・ビールでも酔える!?健康志向の「新たなお酒」の魅力】と紹介していました。

最近の研究で、ノンアルコール酒でも実際に「酔いの心地よさ」を味わえることがわかってきた、とのことです。↓

詳しく知りたい方は、↓番組の公式サイトをどうぞ。
https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1139.html

最近はノンアル飲料が増えていますが、例えば「アサヒ スタイルバランス」は、食物繊維が5g入っているのが、個人的にポイントが高いです。

普段、食物繊維が足りていない日本人が多いですからね。

↑個人的には、サワーテイストがお気に入りの味でした。

なおメーカーでは、「1日に1本」の量を推奨しています。

飲み過ぎると、お腹が緩くなってしまう人もいるからだと思われます。

↓Amazonで【5種 飲み比べセット】も販売されています。

飲み会で太らない方法は?

冒頭で書いた通り、ダイエットは一生続く生活習慣です。

それなので飲み会が好きなのであれば、「ダイエット中なので飲み会に行かない」というのはお勧めしません。

もし1週間の半分以上など、頻度が多過ぎるようであれば、飲み会に行く回数を減らす方が良いでしょうけどね。


ダイエットは、一週間や一ヶ月など中期的な単位で見て70点くらいでOKで、それを一生続けられるかどうかが大事です。

飲み会の頻度が月に1~2回くらいであれば、チートデイとして気兼ねなく飲み食いするのも一つの方法です。↓


飲み会やチートデイで、気をつける点をいくつか紹介します。

・糖質や脂質が多いものは、食べ過ぎないように注意(魚は食べて良い)
・タンパク質の物は適度に食べる。
・食物繊維の物(野菜、海藻類、キノコ類など)は、しっかり食べる。
・当日や翌日の食事で、糖質や脂質を減らす。
・翌日の食事も欠食せず、1日3食を摂る(1食の量を減らすのはOK)

↓参考の記事です。

↑この【まごわやさしい】は、飲み会の時に食べる物の判断基準としても良いですね。


・また飲み会の時も日常でも、おかずファーストの順番で、炭水化物や糖質の物を後の方に食べるのはお勧めです。

更には、よく噛み、しっかり味わてt食べることも大切です。


あとは、先ほど紹介した「飲酒量を減らす方法」の中にあるように、↓これらもお勧めです。

・飲酒量の上限を決める
・飲むお酒を薄くする
・ノンアルコールドリンクを活用する
・周りの人に目標を宣言する


ちなみに「飲み会の翌日なのに体重が減った」ということも時々あります。

しかしこれは痩せたのではなく、アルコールの利尿作用の影響で一時的に脱水して体重が減っただけです。

脱水状態になると、代謝が下がり、脂肪が燃焼しにくくなります。

飲酒の際も、意識して合間に水を飲むのもお勧めです。

↓水分補給に関する情報です。

試しに1週間だけやめてみる

酒量を減らすために、冒頭で紹介した
「反動で酒量が増えなければ、試しに1週間だけやめてみる」というのは、やってみる価値があります。

「絶対に達成する!」というものではなく、「もし飲み会の予定が入ったら、その時は飲んでもOK」などと、緩くやるので充分です。

お酒を飲んだ翌朝と、飲まなかった日の翌朝の体調を、よく観察したり日記やメモに記録を残すのがお勧めです。

多くの人は、体調が良いと感じると思います。

もし「1週間は厳しそう」という場合は3日間でも構いません。

1週間(もしくは3日間)飲まないことが出来たら、お祝いで沢山飲むのではなく【これまで1日に飲んでたのと同じ量】を飲むようにしてみましょう。



1週間飲まないでも平気だったら、また一週間かもしくは2週間以上試してみるのも良いと思います。

また「自宅では飲まないようにしてみる」というのも良いと思います。

もし「1週間も飲まないのは絶対無理!」という人は、既に依存症の可能性が高いかもしれないですね。

その場合で、現在毎日飲んでいるのであれば、まずは1週間に1日か2日間だけ、飲まない日を設けるのを試してみるのが良いと思います。

まとめ

・お酒が好きならやめる必要は無い。
・蒸留酒もワインも飲みすぎはNG
・ストレスにならない範囲で減らすのは良い。
・「お酒を飲まないと眠れない」は問題なので、改善の行動をとる。
・ストレス解消のための飲酒は危険! 行動を変える。
・試しに1週間、もしくは1日だけでもお酒を飲まないのを試してみる。
・ノンアルコール飲料に代えてみる。

などが、まとめです。


この記事の中で、おかずファースト&よく噛んで食べることや、ストレス管理について、習慣化が大事という参考記事も伝えましたが、
ダイエットのためには、他にもいくつかの習慣を身につける必要があります。

↓この記事をじっくり読んで実践するだけで、ほとんどの人が無理なくキツつなく痩せる習慣を身につけることが可能だと思います。


また、もしライザップやフィットネスジムに通うことを検討している場合は、オンラインダイエットを検討することがお勧めです。

↓私のオンライン指導だけで痩せた方のビフォア・アフターです。

ビフォアアフター

費用は、大手パーソナルジムの1~2割程度です。

大手ジムの広告よりも減量のペースは遅いですが、リバウンドがしにくく、きつくなくて習慣化もされやすいです。

↓詳細は、こちらをご覧ください。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

※LINEのオープンチャット「ダイエットは習慣が9割」というグループの管理者をしています。
どなたでも気軽に参加してください。

↓Twitterでも、ダイエット情報を日々発信しているので、フォローしてもらうと、真実のダイエット情報を得ることが出来ます。