日本で最も売れたダイエット本『こんなにヤセていいかしら』の内容・要約!現代のダイエットの源流?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

1988年に発売されたダイエット本である
『不思議な面白減量法 こんなにヤセていいかしら 1回30秒だけで1日1キロ落ちる』
川津祐介(著)は、215万部のベストセラーで、全てのジャンルでも日本で歴代31位の販売部数です。

冒頭の画像に表紙などを載せましたが、「昭和63年9月10日 第245刷」と書かれていて、物凄いことです。

そしてタイトルの最後に、「1回30秒だけで1日1キロ落ちる」という大胆な文が含まれています。

さらに表紙には、↓このような魅力的な?文言がいくつも書かれています。

・ぜったいにやり過ぎないで下さい(30秒だけ)
・「好きに飲んで食べて1日30秒」
・「ポイント刺激」と「西洋薬膳」で、カロリー計算なし、ラクラク痩せちゃう!

・・・果たしてこれらは、本当のことなのでしょうか??

結論から言えば、↓この3点です。

・いくら昔の本とはいえ、誇張し過ぎ!
・2023年の科学的根拠に基づくと、本で紹介されている中で、「良い内容」は2割、「ダメな内容」が8割ほどです。
・それでも2023年にも多い「デタラメなダイエット」の源流になっている点も多い


この記事では、本の内容に私の見解を加えて紹介します。

私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

↓私の詳しい経歴です。

※本ページは広告やPRなどが含まれています。

『こんなにヤセていいかしら』の著者 川津祐介さんは俳優

私は知らなかったのですが、川津 祐介さん(1935年5月12日 – 2022年2月26日)は俳優で、代表作は『人間の條件』、『東京警備指令 ザ・ガードマン』、『スパイキャッチャーJ3』、『Gメン’75』などのようです。

『太閤記』、『徳川家康』、『春日局』などNHK大河ドラマにも出演しており、また『3年B組金八先生』第2シリーズにも教師役で出演していたそうなので、私も子どもの頃に見たことがあるはずです。

著名な俳優であることも、本が大ベストセラーになった大きな要因の1つだと思われます。

川津祐介さんのウィキペディア

俳優のダイエットは危険!

『こんなにヤセていいかしら』の序盤では、俳優をしていた川津さんならではのダイエットの経験が書かれていました。

例えば『沖縄決戦』という映画では、戦火をくぐり抜け、極限状況の中で沖縄から本土のに戻った将校を演じるために、1週間で7キロの減量をしたそうです。

またこの減量の影響で体力が落ち、バイク事故を起こして肋骨を3本折ったとのことです。

他にも川津さんが一緒に仕事をしたことがある女優の、危険なダイエットについても書かれていました。

私は以前から、「俳優やタレント、アイドルなど芸能人のダイエットは、大抵リバウンド前提で行われるので一般人には役立たない」と主張してきました。

『こんなにヤセていいかしら』の川津式痩身法の3つの骨組みと気づき

↓この3点が骨組みとのことです。

・骨盤体操
・はんぱ断食
・西洋薬膳料理

この後、それぞれ解説していきますが、まず本全体を読んでの感想や気づきなどを書いておきます。

今から35年前に出版された本ですが、現代も続々登場しては消える様々なダイエットの源流になっている点も多いと思いました。

例えば、↓これらの点です。

・芸能人によるダイエット法
・骨盤体操など〇〇体操
・〇〇断食、〇〇ファスティング
・漢方、薬膳

いかがでしょうか?

ダイエット本を出してリバウンドする芸能人は近年でも多いですよね。

最近もSNSやダイエット本で、「このエクササイズで簡単に痩せた!」という方法が多いです。

16時間断食、月曜断食、酵素ドリンクのファスティングなども流行りました。

ここ数ヶ月は、SNSで危険な漢方ダイエットも広まっています。

↑これらはどれも、間違ったダイエット法です。

↓それぞれの関連記事です。

それでは3つの骨組みを解説します。

骨盤体操

先程も紹介した川津さんのウィキペディアに、↓このような文がありました。

【1988年にはダイエット本である著書『こんなにヤセていいかしら』がベストセラーになり、同書の中核である「骨盤体操」を世に流行らせた。

・・・とのことです。

「骨盤体操」という言葉は今でも一般的?であり、「骨盤体操ダイエット」や「骨盤ダイエット」という言葉もあります。

しかし現代では、「骨盤ダイエットの科学的根拠は薄い」、というのが真っ当なダイエット指導者たちの見解です。

本では、「ガニ股だと太り、内股だと痩せる」という説を主張しています。

そのためにガニ又を改善するために骨盤体操として、いくつかの体操や歩き方、座り方などが紹介されていました。

確かに、紹介されていることを続ければ、ガニ又の改善には繋がるので、この体操を行うこと自体は良いと思います。

しかし、「1回30秒だけで1日1キロ落ちる」、「ぜったいにやり過ぎないで下さい(30秒だけ)」などという文は誇張し過ぎです。

なお「食べ物だけでは太らない」、「肥満の原因は骨盤にあり」などという文もあり、これらも言い過ぎで、間違いです。

はんぱ断食

本ではまず一般的な断食?の危険性について書かれていました。

1988年に発行された本ですが、↓次のような文がありました。

【最近ちょっとしたブームにさえなっている断食も、やり方を一歩間違えると大変なことになる】

2020年代でも、様々な「〇〇断食ダイエット」や「ファスティングダイエット」など嘘のダイエット法が出回っていますが、当時も流行っていたようです。

そして本では、1981年に断食の影響で死亡したイギリスのトップモデル、ポーリン・シーワードさんの事例が紹介されていました。

検索したところ、スペルはPauline Seawardと書くようで、↓このような英語の記事が出てきました。

『Young woman apparently ate herself to death』

記事の文頭には、↓このように書かれています。

LIVERPOOL, England — Pauline Seaward, 24 and conscious of her figure, ate only two meals a week and the last one apparently killed her.

なお本では「断食死」という言葉が載っていて、インパクトがあると思いました。

ちなみに「逆太り」という言葉も載っていて、当時はダイエットに関する「リバウンド」という言葉がまだ無かったようですね。

話を戻します。

本では、一般的?な断食は危険なので、「はんぱ断食」を勧めています。

「はんぱ断食」とは、「中途半端な断食」のことです。

現代風に言えば「プチ断食」や「ゆる断食」のようなものでしょうね。

この「はんぱ断食」は1週間のプログラムで、メインはお粥とお茶だけで、他に口にして良いものは少量の牛乳と梅干しだけ、とのことです。

そして、「食事だけだってラクに4キロやせる」と書かれています。

これは「骨盤体操を1回30秒するだけで1日1キロ落ちる」のとは別に、「食事だけで4キロ痩せる」という意味のようですね。

確かに、はんぱ断食で体重が4キロくらい減る人もいるでしょうけど、明らかに栄養不足で体脂肪よりも筋肉が落ちて、「太りやすい体」になるだけです。

また、「はんぱ断食の効用の1つに宿便が出るという現象がある」とも書かれています。

数年前に流行った月曜断食でも同様のことが書かれていますが、宿便に科学的根拠はありません。

西洋薬膳料理

本によると西洋薬膳とは、「漢方の知識と西洋のハーブの知恵とをドッキングさせたもの」だそうです。

そして先程の断食とは裏腹に、「食べて痩せる”西洋薬膳”の美味しいメニュー」と書かれています。

また「身近な素材にこんなにある薬膳効果」として、↓これらの一般的な野菜や食材も、数多く紹介されていました。

・にんじん:健胃整腸作用がある。
・ほうれん草:便通をスムーズに~
・とまと:脂肪の消化を補助する働き~
・キクラゲ:胃腸の働きを整える
・ゴマ油:新陳代謝を活発に~

↑ごく一部だけを抜粋しました。

ちなみに川津さんは当時、練馬区や藤沢市に「珈琲&ワインの店 ララの巣」というお店を開業していて、レストランオーナーとしても活動し、西洋薬膳料理を提供していたそうです。

西洋薬膳に関しては、様々な食材を少量ずつ摂るというものなので、骨盤体操、はんぱ断食と違って、奇抜ではなく真っ当な内容でした。

『こんなにヤセていいかしら』の良い点

この本について記事の最初の方で、

「良い内容」は2割、「ダメな内容」が8割ほど

と書きました。

骨盤体操を行うこと自体や、西洋薬膳の他で、この本に書かれていた良い点を紹介します。

それは、よく噛んで、ゆっくりと食べることです。

ひと口ごとに箸を置くことも推奨していて、これは私も非常に大切にしていることです。

それなので、私の著書やブログ記事↓でも勧めています。

この件でもう1つ良いと思ったのは、↓この文です。

【食事を終えて箸を置く時に「食事が終わって30分後には、気持ちのいい満足感が来るぞ」とイメージしながら箸を置くこと。】

いわゆる腹八分目くらいの感覚で食べ終えて、さらに↑このようにイメージするのは良いと思いました。

また「心のぜい肉」という言葉が本の中で登場していて、解釈の仕方によって興味深い言葉だと思います。

他には、西洋薬膳の所にあった、↓このような記述も良いと思いました。

【今、料理の本をのぞくと「3分でできる」「15分でできる」といった感じ、手早く簡単にということに対して主眼を置いているケースがあまりにも多いことに、うんざりさせられる。】

ただしこれは、この本のタイトルに【1回30秒だけで1日1キロ落ちる】という文があるので、矛盾を感じましたが笑

まとめ

1988年に発売され、日本で最も売れたダイエット本『不思議な面白減量法 こんなにヤセていいかしら 1回30秒だけで1日1キロ落ちる』について解説しました。

箇条書きでまとめると、↓このようになります。

・タイトルは誇張し過ぎ
・「良い内容」は2割、「ダメな内容」が8割ほど
・骨盤体操、はんぱ断食、西洋薬膳の3点が骨組み
・骨盤体操に、痩せる即効性は無い
・はんぱ断食はやつれて「太りやすい体」になる
・西洋薬膳は真っ当な内容
・令和の現代でも次々に登場している「〇〇ダイエット」の源流になっている点もいくつかある
・最も良い点は、よく嚙んでゆっくりと食べること

この本に興味がある方は、ぜひ実際に読んでみてください。

↓関連記事です。

↑この記事では、1970年に発売されて150万部のベストセラーとなったダイエット本『ミコのカロリーBOOK』(弘田 三枝子さん著)のことも紹介しています。


最後に、健康的に痩せてリバウンドしないために大事な【習慣化】についてお伝えします。

食事改善も運動も【一時的にだけ】やっても、その後にやめれば無意味です。

ダイエットは、習慣化されなければ意味がありません。

この記事の中で、よく噛んで食べることなどが大事だと伝えましたが、ダイエットのために大切な習慣は他にも色々あります。

↓この記事をじっくり読んで実践するだけで、痩せる習慣を身につけることが可能です。

また、もしライザップやパーソナルジムなどを検討している場合は、オンラインダイエットがお勧めです。

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