セットポイント理論とミネソタ飢餓実験を知るとダイエットが上手くいく

【元ライザップのトレーナーが解説】

ダイエットで大きな課題なのが、リバウンドです。

せっかく食事制限や運動を頑張って大幅に痩せても、リバウンドしては意味がありません。

ダイエットは短期間であるほど、そして大幅減量であるほど、リバウンドしやすいと言えます。

これは、セットポイントという仕組みが影響していると考えられています。

リバウンドの危険性は、↓こちらの記事でも紹介しています。

↓私のプロフィールです。

セットポイント理論とは?

人間には、体温や体重を一定に保とうとする「恒常性・ホメオスタシス」という機能が備わっています。

暑くて体温が上がれば、汗をかくことで体温を下げます。

逆に寒くて体温が下がれば、筋肉を動かし体を震わせて体を温めます。


また食べすぎた後は食欲が減って、食事量が少なくなりますよね。

逆に食事が足りなかったり抜いたりすると、次の食事量が多くなりがちです。

急な変化が起こると心身への負担が大きいので、脳が危機を感じて元の状態に戻そうとします。

この元の状態をセットポイントと呼んでいます。


ダイエットで食事量が少なくなると、脳は飢餓状態だと判断して代謝量を減らします。

携帯電話の充電が少なくなった時の省エネモードをイメージすると分かりやすいと思います。

飢餓状態が続くと、体脂肪や筋肉を分解してエネルギーを作り出すと同時に、脳は食欲を増やす指令を出します。

充分な食事にありつければ、以前より体脂肪が多い状態に落ち着きます。

これが間違ったダイエットでリバウンドする仕組みです。

きたるべき次の飢餓に備えて、人類が進化して手に入れた仕組みとも言えます。

人類の歴史は「飢餓の歴史」

第二次世界大戦後、飢餓から解放される地域が増えていき、多くの国ではここ数十年で一気に飽食の時代になりました。

コンビニに行けば美味しくて柔らかく、短時間で大量に食べられる食品が大量に陳列されています。

狩猟採集時代には生き延びるために必要だった「痩せにくく太りやすい能力」を持ったまま飽食の時代を生きています。

これでは世界的に肥満者数が増えているのは、自然な流れと言えます。
お菓子や甘いジュースに多く含まれている「果糖ブドウ糖液糖」やショートニングなどには要注意です。

飢餓の時代でなくても、無理なダイエットをすることでセットポイントの体重が上がってしまいます。

特に過度な食事制限や強いストレスで、セットポイントが上がりやすいと言われています。

体重が急激に減るほど、そして長く続くほど脳が危険な飢餓状態と判断して、セットポイントが上がります。


セットポイントの体重を下げるには、脳が飢餓状態だと判断しないように、緩やかに体重を減らす必要があります。

緩やかな変化であるほど、ストレスが少なく健康を害することもなく、リバウンドのリスクが減ります。

健康的に痩せる減量ペースは?

私が推奨する減量ペースの目安は、1ヵ月で体重の1%以内です。

50kgの人は0.5kg以内、100kgの人は1kg以内ということです。

1ヵ月に0.5kg減でも、1年続ければ6kg減です。

減少ペースが緩やかであるほど、セットポイントが上がるリスクは減ります。

ネットで「ダイエット 1ヶ月 目安」などと検索して上位表示されるサイトには、「1ヵ月に体重の5%減が目安」と書かれていることが多いです。

しかしこれは大間違いで正しくは、1ヵ月に5%減は”目安”ではなく”危険”です。


ダイエットでは「1日の摂取エネルギーを基礎代謝より低くするのは厳禁」と言われています。

平均的な30〜49歳・女性の場合の基礎代謝は、1,160kcalほどなので、これを下回ってはいけないということです。

この人の推定エネルギー必要量は1750kcalほどなので、1日の基礎代謝との差は590kcalです。

もし1日590kcal減を30日間続けると、17,700kcalです。

必要最低限である基礎代謝のカロリーを摂取した場合に、1ヵ月で落とせる体重は、17,700÷7200=2.46kgで、これが限度ということです。

体重が53kg設定なので4.6%です。

1ヵ月の減量幅が体重の5%減を超えると危険ということとも、ほぼ合致しています。

現実的には、摂取カロリーをここまで減らすと、体の防衛反応で消費エネルギーが減るので、2.46kgよりも少ない減少幅になると思われます。

ミネソタ飢餓実験とは?

急激な減量の危険性がわかる事例で、1944年から1945年にかけて行われたミネソタ飢餓実験という研究があります。

目的は、飢餓による生理学的・心理学的影響を明らかにして、第二次世界大戦末期の飢餓犠牲者に対する救済に役立てることです。

被験者は22~33歳の心身ともに健康な男性36人で、6ヶ月間で体重の25%が減るように各自のカロリーが調整されました。

↓以前NHKの番組でも紹介していました。


ちなみに毎月5%ずつ複利で減ると、6ヶ月間で22.7%減る計算になります。

その結果、基礎代謝は40%も低下しました。体温の低下で夏でも寒気を覚えるようになり、心臓が縮小、心拍数低下、髪・皮膚・爪の状態が悪化、性欲減退、疲労感、などあらゆる生命活動が低下しました。


心理的には、ほとんどの被験者が精神的に重度の苦痛を感じ、抑うつ的になりました。

全ての参加者が食べ物のことばかりを考えるようになり、リハビリ期間でも摂食障害でよく見られる食べ方が出現しました。

それは満腹で気持ち悪くなるまで食べる、ものすごい速さで食べる、空腹でないのに食べる、などという食べ方です。

更には、理解力、集中力、判断力なども低下し、自傷行為、孤立、ひきこもり状態なども見られたそうです。


2011年に発表された研究では、摂取カロリーを極端に減らすと食欲を増進させるグレリンというホルモンが増えました。

そこから食事を戻しても1年ほどはグレリンが増えた状態が続いたとのことです。

参考記事 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/21470990/


このブログを読んでいる方でも、食事制限が厳しいほど食欲が増して食べ物のことを考えるようになり、ダイエット後にドカ食いが続いたという経験をした方が多いのではないでしょうか。

私もアームレスリングをやっていた時に経験がありますが、減量後のアスリートにもよく見られる現象です。

私が指導してきた方からも、過去にやった2~3ヶ月間の食事制限によって体温低下や食欲増進が1年以上も続いた、などという話を何例も聞いています。

私が以前書いた、↓この記事でもミネソタ飢餓実験のことを取り上げています。

急激なダイエットほどリバウンドする

これまで紹介してきた研究結果や体験談は、先ほど紹介したセットポイントの考え方とも関連しています。

急激な減量であるほど心身の健康を害するので、脳が生命の危機だと判断してセットポイントが上がってリバウンドします。

「1ヵ月で体重の5%減が目安」という嘘の情報を信じてしまうのは非常に危険です。


5%の減量ペースを、健康的に何ヵ月も続けることは不可能と言えます。

それなのに上手くいかないことを「自分の意志が弱いから・頑張りが足りないから」などと思ってしまうと、自己肯定感が下がりストレスを抱えてしまいます。

もし強靭な意志で頑張って急激な減量を続けても、ミネソタ飢餓実験の被験者のような悲惨な状態が待ち受けています。

リバウンドしないようにセットポイントの体重を下げるには、緩やかな変化であるほど良いとお伝えした通りです。

まとめ

・人間は飢餓を生き延びるために進化してきた
・そのため体脂肪を溜めて太りやすく進化した
・太りやすい能力を備えたまま飽食の時代を迎えた
・セットポイントという仕組みがあるので、急な減量はリバウンドしやすい
・1ヵ月に5%の体重減は危険
・急なダイエットの危険性がわかる「ミネソタ飢餓実験」
・1ヵ月に1%くらいを目安にするのがお勧め

などが、この記事のまとめです。


最後に、健康的に痩せてリバウンドしないために大事な【習慣化】についてお伝えします。

食事改善も運動も【一時的にだけ】やっても、その後にやめれば無意味です。

ダイエットは、習慣化されなければ意味がありません。

リバウンドしないためには、食事の内容、量、タイミング、運動、日常の活動、睡眠、ストレス管理など、様々なことで、良い習慣を身につける必要があります。

↓この記事をじっくり読んで実践するだけで、痩せる習慣を身につけることが可能です。

また、もしライザップやパーソナルジムなどを検討している場合は、オンラインダイエットがお勧めです。

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