低糖質ダイエットは古い? 結局は脂質のコントロールの方が大切?

※『ダイエットは習慣が9割』の著者:ダイエットポリスが解説!

近年、低糖質ダイエットが流行りましたが、いくら低糖質にしても脂質過多や、良くない脂質を多く摂っていては元も子もありません。

●ダイエットにおいて脂質摂取のポイントは、↓こちらです。

・そもそも脂質とは?
・脂質が足りないと、どうなるのか?
・積極的に摂るべき、良質な脂質とは?
・良質な脂質が多く含まれている食品は?
・あまり摂らない方が良い脂質とは?

●↓こちらは、以前紹介した【低糖質】そのものに関する記事です。

私はライザップ(シンガポール店や六本木店など)で約3年間トレーナーとして勤務し、現在は「糖質制限や断食をせず、健康的に痩せてリバウンドしないダイエット法」の発信をしています。

↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。

私の経歴は、↓こちらをどうぞ。

そもそも脂質とは?

脂質は、糖質・タンパク質と並ぶ3大栄養素の1つです。

1グラムあたり9キロカロリーで、三大栄養素の中で最も高カロリーです。

糖質とタンパク質は、1gあたり4キロカロリーなので、脂質は2倍以上ですね。

そのため、昔は「脂質は、健康やダイエットに悪い」と言われて、「ダイエットの目の敵」とされていました。

しかし今は「”良い脂質” は、積極的にとりましょう」と言われています。

このことを知らない人は、まだまだ多いですね。

もちろん、”悪い脂質” は、摂取しすぎないのが良いですね。

摂りすぎたら太るだけでなく、生活習慣病の原因になってしまいます。

脂質の働きは?

↓これらの重要な働きがあります。

・細胞膜の材料となる
・ホルモンの材料となる
・脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)の吸収を助ける
・エネルギー源となる
・皮下脂肪として体温維持や内臓保護をする

※特に、最初に挙げた3つが大事ですね。

●脂質が足りないと、どうなる?

不足すると、上記の【脂質の働き】で書いた項目が、上手く出来なくなる、ということですね。

その結果、↓これらのようなデメリットが起きる可能性があります。

・免疫力が低下し、風邪をひきやすくなったり、病気にかかりやすくなる
・皮膚に異常が現れる
・疲れやすくなる
・発育の障害

積極的に摂るべき、良質な脂質とは?

脂肪は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸とに分かれます。

それぞれが更に細かく分類されますが、覚える必要が無いことなので解説は省略します(笑)

細かくは覚えなくても、ポイントだけ知っておけばダイエットは出来るし健康にもなれます。

●大事なポイントは、↓これです!

積極的に摂るべき良質な脂質は、不飽和脂肪酸の中の【オメガ3】という脂肪酸です。

オメガ3や、DHA・EPA などという言葉は、聞いたことがある人もいるのではないでしょうか?

そもそもオメガ3とは【魚油に含まれているDHAやEPA、エゴマや亜麻種子などの植物油に含まれているα-リノレン酸などの脂肪酸の総称】のことですが、これも覚えなくて良いです(笑)


●良質な脂質が多く含まれている食品は?

まずは何と言っても魚です。

特に、青魚(背中が青くて、赤身の魚)と呼ばれているサバ、イワシ、サンマ、アジ、などが良いですね。

また厳密には青魚とは言わないようですが、マグロ、サケ、カツオなども良いです。



●魚のお勧めの食べ方は?

煮魚やフライよりも、刺身が良いですね。

2020年1月8日にNHKの「あさイチ」という番組で、オメガ3の特集をしていました。

番組によるとオメガ3は、フライだと60%まで下がるとのことです。


またオメガ3を摂ることで期待できる、様々な健康効果も紹介していました↓

逆に言えば、良くない脂を多く摂取していると、↑これらのような健康を害する恐れがある、ということにもなりますね。

コスパ最強の食品は、魚の缶詰!

また缶詰も栄養の面でも問題が無く、また保存も出来て手軽に食べられるので、かなり良いですね。

「あさイチ」でも紹介していて、画面の右側に「コスパ最強の食品」と書いてありますね↓

↑缶詰のパッケージは、NHKなので本物の商品ではなく手作りで、ちょっとダサい感じがしますね笑

ちなみに焼き魚は良質な脂が減ってしまうので、むしろ缶詰の方が良いとも言われています。

缶詰の場合は、汁に良質な脂質も多く含まれているので、捨てずに使わないともったいですね。

最近はサバ缶の種類も本当に多くなっていて、値段も高騰してますが、イワシ缶やサンマ缶でもOKです。

↓私の自宅にあるサバ缶やナッツなどです。

私は仙台生まれ仙台育ちで、3.11の東日本大震災の時も仙台にいましたが、↑これらの缶詰やナッツは健康にもダイエットにも良くて、

しかも保存が出来るので、今後、日本全国どこでも起こり得る災害に備えての備蓄物としてもお勧めです。

また糖質量的には【水煮】の方が低糖質ですが、味噌煮や味付けの物でも、食事全体の糖質量に気を付ければ大丈夫です。

↓これも私の家にある、様々なサバ缶などの一部です。

ただ「あさイチ」では、ツナ缶にはオメガ3が少ないことも紹介していました。

でも多少は入っているし、タンパク質も摂れるので、悪い物ではないですけどね。

↑またサバ水煮缶のオメガ3が、イワシ水煮缶やサンマよりも少ない理由は、
脂がのっていない小さなサイズのサバを使用しているから、と他のNHKの番組で紹介していました。

缶詰の栄養成分表の見方は注意が必要

↓こちらの伊藤食品株式会社のサバ缶の例で紹介します。

 ↑固形量は140gで、内容総量は190gです。

↓しかし、栄養成分表は【100g当たり】の表記です。

この場合の一缶あたりの栄養成分量は、固形量に合わせて1.4倍するのではなく、総量に合わせて1.9倍するのが正しいです。

タンパク質量の場合は、
14.9 × 1.9 = 28.31g ということです。

↓以前こちらの記事で書いたように、1食のタンパク質の上限は30gまでが良いので、先程のサバ缶を一人で食べる場合は、2回に分けるのが良いですね。

ちなみに栄養成分表の計算方法に関しては、メーカーのホームページにも表記が無かったので、直接、電話して確認しました。

また、↓こちらの別のメーカーにも電話したところ、やはり同じ計算方法とのことでした。

↑「液汁を含む」と表記されている場合は、そのようになるのでしょうね。

※他のメーカーの製品で、「液汁除く」と表記されているサバ缶もあるので、この場合は固形量で計算すると正確になりそうですね。

●さば水煮缶のレシピ本もいくつかあります。

女子栄養大学栄養クリニックのさば水煮缶健康レシピ 

 

医者が本気ですすめる「水煮缶」健康レシピ 栄養素を100%とる調理法大全 

 

缶詰は、1食分の量の調節がしにくく、食べた後の処理にも困るという場合は、魚のパウチの物がお勧めです。

はごろも 健康シリーズ(パウチ) 5種×各2個 計10個

魚の他にお勧めなものは?

アマニ油、エゴマ油、クルミなどからもオメガ3が摂れるのでお勧めです。

しかし前述の「あさイチ」によると、吸収率は10%程度とかなり低いようなので、やはり魚の方がお勧めとのことでした。

また注意点としては、アマニ油やエゴマ油は熱に弱いので、加熱されたものには使わないことです。

それなので、ドレッシングオイルの代わりにサラダにかけるなどして摂取するのが良いですね。

ちなみに味噌汁くらいの温度なら問題無いとのことで、味噌汁に入れることはOKです。

後述しますが、市販の一般的なサラダドレッシングは、健康にもダイエットにも良くない物がほとんどです。

脂質は、1日にどのくらい摂れば良いか?

毎日の3食 + 間食の中で、上記のオメガ3が含まれている食品を1回以上摂取する。

というくらいの認識でOKです。

あくまで目安ですが、数値的なことも書いておきます。

脂質は、↑このように20~30%を摂るのが目安です。

例えば1日に2000kcal摂る場合の、20~30%という脂質量を計算してみます。

400~600kcal分で1gが9kcalなので、44.4~66.6gということです。

三食で割ると、一食あたり約15~22gほどの脂質量ということですね。

1日に1500kcal摂る場合なら、20~30%のカロリーを脂質から摂ると300~450kcal。

1gが9kcalなので、脂質量は33.3~50g。

一食あたり11.1~16.6gほどですね。


また脂質の量だけでなく、中身・質も大切です。

↓この2点が出来るとかなり良いですね。

・肉よりも魚を食べる割合を増やす。
・1日の3食のうち1度は魚を食べる。

なお「あさイチ」では、魚を1ヶ月に15回~30回以上食べること、
つまり2日に1回以上、魚を食べることを勧めていました。

そして、「お菓子やジャンクフードの脂質には気をつける」ということも大切です。

あまり摂らない方が良い脂質

日本では戦後、動物性脂質の摂取量が大幅に増加しました。

これが肥満や生活習慣病が増えた、大きな要因の1つです。

↑これらは、NHK高校講座 家庭総合「自分のからだをつくる~食生活の課題は?~」の回で紹介されていた画像です。

次にオメガ6という種類の大豆油、ひまわり油、コーン油、グレープシード油についてです。

これらの植物油は、市販のドレッシングや、揚げ物、加工食品(スナック菓子やパン)などによく使われていますが、あまり積極的には摂取しないのが良いですね。

このオメガ6も、体内で合成出来ない必須脂肪酸ではあるのですが、オメガ3と違って普段の食事で意識しなくても、充分な量を摂れている人がほとんどです。

逆に過剰摂取している人が多いくらいなので、意識的に摂る必要はありませんし、

むしろ意識的に減らすくらいで、丁度良いです。

オメガ6の脂を摂りすぎると、

・アトピー性皮膚炎や花粉症などの原因になる
・ホルモン代謝を狂わせる
・大腸がん、乳がん、動脈硬化、心臓病などの危険因子になる

などのデメリットがあるとも言われています。

普段、市販のドレッシングや、揚げ物、加工食品(スナック菓子やパン)などをよく摂取する人は、健康やダイエットのためには、量や頻度を減らすのが良いですね。

またノンオイルドレッシングはオイルが無い分、果糖ブドウ糖液糖という、健康にかなり悪くてしかも太りやすいもので味付けされていることが多いです。



●トランス脂肪酸

【アメリカでは2018年以降は原則禁止】とされているほど、健康への悪影響が恐れられているものです。

しかし日本では野放し状態で、マーガリンや、スナック菓子やパンなどの加工食品に使われ放題です。

菓子パンやお菓子が好きな人は全く食べないというまでの必要は無いですが、食べる量や頻度を減らしたり、
またはトランス脂肪酸が含まれていない、高級なお菓子を食べるのが良いですね。

高級なスイーツやお菓子を食べることは、↓これらのメリットがあります。

・身体に悪い物が含まれていない
・費用的に、早食いやドカ食いをしにくい
・美味しいので、少量で満足しやすい


※2023年7月3日に放送されたNHK『あさイチ』は「食材の”シン・常識”」というテーマで、トランス脂肪酸について、↓このように紹介していました。

・マーガリンのトランス脂肪酸は2006年頃と比較して、2014年頃以降は約9分の1に減った
・WHOによるトランス脂肪酸の摂取基準は「総エネルギー摂取量の1%未満≒1日2g程度」
・マーガリンを塗ったトースト1枚のトランス脂肪酸量は約0.1gなので、食べ過ぎなければOK

それなのでマーガリンに関しては、必要以上に恐れ過ぎる必要は無くなったのかもしれないですね。

ちなみに多くの人がマーガリンだと思っている物が最近は「ファストスプレッド」という物で、マーガリンよりも脂質が少ないそうです。



●オメガ9について

代表的なオメガ9は、オリーブオイル、キャノーラ油、ゴマ油、米油などです。

これらは必須脂肪酸ではないので、積極的に摂取する必要はないのですが、
前述のオメガ6を減らすために、代わりに調理で使用するのに良いですね。

オメガ3とオメガ6の理想の割合は?

2020年2月26日のNHK「あさイチ」では「オメガ3」と「オメガ6」の割合を
「1:1 から 1:2」までのバランスが良いと紹介していました。

しかし、1月8日の「あさイチ」によると日本人の多くは、割合が【1:10 以上】となるほど、オメガ6を摂りすぎているそうです。

理想の【1:1】~【1:2】に対して、
【1:10】は酷過ぎですよね。

やはりポテトチップスやドーナツなどのお菓子には、オメガ6が多く含まれていますね。

ちなみに、とある健康系の本には、ポテトチップスは【悪魔の食べ物である】と書かれていました。

まとめ

・脂質の1gあたりのカロリーは、糖質やタンパク質よりも多い
・でもダイエットの敵ではない
・摂取エネルギーの20~30%は脂質から摂る必要がある
・脂質の中身・質が大切
・おすすめは魚介類から摂る脂質のオメガ3
・お菓子やジャンクフードに含まれる脂質には要注意

などが、この記事のまとめです。

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↓こちらは私の著書『ダイエットは習慣が9割』で、2023年5月に発売されました。