【〇〇だけで1週間で3kg減】などのダイエット広告は凄いことではない! 糖質1gと水3gの性質とは?

【元ライザップのトレーナーが解説】

「1週間で●kg痩せた!」などという広告をネットでよく見ますが、嘘の情報に騙されないための知識を解説します。

この記事を読むと、↓これらのことがわかります。

・【1週間で3kg減のダイエット方法】などというのは、一時的に水分で減っただけで凄いことではない理由。
・糖質制限をスタートしたら、たった1週間で2kgも減ったが、その後あまり減らなくなるのはなぜか?
・体重を毎日測定していると1kg~2kgくらい、すぐ増減するのはなぜか?

これらは、どれも同じ仕組みで起きていて、最初に書いた通り一時的な体内の水分の増減によるものです。

↓私の経歴です。

ダイエットポリス(元警察官&元ライザップ)。『ダイエットは習慣が9割』の著者。豪華客船でトレーナー。世界一周×3回。ダイエット評論家・増戸 聡司の経歴

情報過多でダイエット難民が続出

新しいダイエット方法が続々と出回るので、「ダイエットの知識だけはそこそこあるのに長年、全く成果が出ていない」という人が大勢います。

そして【〇〇を飲むだけで1週間でマイナス3kg!】などという、よくある広告に騙されてしまう人も多いのが現状です。

そもそも、飲むだけで痩せるサプリという都合が良い物は、存在しません。

もしあったらライザップが100店舗以上も増えるわけが無いし、健康診断でメタボと言われて、ショックを受ける人もいなくなります。

「〇〇だけダイエット」(飲む、巻く、乗る、着る、履く、塗る、単品)で痩せない理由とは?

この記事を読んで正しいダイエットの知識を得て、ダイエット難民から卒業しましょう。

【1週間で3kg減】は水分で減っただけ!

【〇〇を飲むだけで、1週間でマイナス3kg!】・・・というような広告や、うたい文句をよく見ますよね?

短期間で体重が大幅に減るのはほとんどが水分によるものであり、残念ながら本来減らすべき体脂肪ではありません。


水分で体重が減るということは、あくまで一時的なものなので、実際に痩せたことにはなりません。

特に、糖質制限を始めると早い人なら1週間もかからずに、2kg~3kgくらい簡単に減ります。

糖質と水分が結びついて体内から出入りする

ここがポイントです!

具体的には【体内の糖質1gに対し水分3g】が結びついて、体内から出入りをしています。

『体重が急に増えた…原因と”本当の体重“の測り方を専門家が解説』という記事では「グリコーゲン1gに対し、水3~4g」と書かれています。

人間の体内には、300g~500gほどの糖質が蓄えられています。
(体格や筋肉量により個人差があります。)

この糖質の体内貯蔵量は、毎日の食事や運動によって日々変動しています。

体内の糖質貯蔵量の変動とは?

例えば、糖質の体内貯蔵量が満杯の500gという人がいて、2~3日間のしっかりとした糖質制限をやると体内貯蔵量は、ほぼ0gになります。

「糖質1gに対し水分3g~4g」が結びついて体内から出入りするので、

体内の糖質500gが減ったということは、1,500g~2,000gの水分も結びついて一緒に体外に出た、ということです。

つまりこれだけで、2kg~2.5kgの体重が減ります。

しかし、ほとんど水分で減っただけで体脂肪は減ってないので痩せたのではありません。

もしこの人が、また糖質が入っている物を沢山食べれば、すぐ元の状態に戻ります。

低糖質の食事をしていた人が糖質を摂った場合も、短期間で一気に体重が増えますが、体脂肪は増えていないので太ったのではありません。

糖質貯蔵量が満杯になると体脂肪が増える

普段から糖質量を気にせず、満腹になるまで食べている人は、糖質の体内貯蔵量が常に多い状態になっています。

体内貯蔵量の最大値を越えてから、更に糖質が体内に入ると、貯蔵出来ない分は体脂肪になってしまいます。

例えば、飲み会のあとの締めのラーメンですね(笑)


しかし、体内の糖質量が少ない時であれば、糖質が入った好物を食べても体脂肪にはなりにくい、とも言うことが出来ます。
(絶対にならない、というわけではありません)

それでも「血糖値の急激な変動」には注意が必要です。

そのためには、よく噛んで食べたり、おかずファーストで食べることを意識しましょう。

↓参考の記事です。

よく噛むなど簡単な3点だけで痩せるダイエット法。食事制限は不要!ビフォーアフターは?

また塩分摂取が多い時も、体が水分を蓄えるので体重は増えますが、やはり体脂肪は増えていないので太ったのではありません。

むくんだだけ、ということですね。

塩分の影響だけでも、短期的な体重の変動幅は1kg以上になることもあります。

塩分を摂りすぎないのも大事ですが、塩分を排泄してくれるカリウムを摂ることも大切です。

結局は、栄養バランスが大事なので、幅広い食材を摂ることが解決策ですね。

ダイエットに大切な栄養バランスの鍵は、まごわやさしい&一汁三菜

体脂肪が減りやすい状態は?

糖質の体内貯蔵量が少ない状態になると、優先的に、体脂肪がエネルギーとして使われやすくなります。

それなので、ある意味では、体内の糖質がある程度抜けた状態になって、やっと体脂肪を減らすためのスタート地点についたと言うことも出来ます。


しかし一般的な食事をしている人は、体脂肪をエネルギーとして使う機能が、普段あまり使われていません。

それなのでこの機能が活性化するまでは、エネルギー不足を感じたり、頭がぼーっとするという現象が出ることもあります。

大抵は3日~1週間もあれば機能が活性化されて、そのような現象はおさまることが多いです。

しかし過度な糖質制限は特別な目的があったとしても2ヵ月以内だけにするか、そもそも最初からやらない方が良いですね。

低糖質ダイエットの注意点とは? GL値、超加工食品、果糖ぶどう糖液糖とは?

また空腹の時間が長く続きすぎると、筋肉も分解されてしまう恐れがあるので、食事でタンパク質が入った物をしっかりと食べることも大切です。

金森式のような極端な断糖は危険なので、やらない方が良いです。

断糖高脂質の金森式ダイエットは危険! 失敗して痩せないだけでなく死亡率を高める!

この仕組みからわかることは?

この仕組みを理解できると、よくある、↓これらの理由もわかるようになります。

・糖質制限をスタートしたら、1週間で2kgも減ったが、その後はあまり減らなくなった。
・体重を毎日測定したら1kg~2kgくらいは、すぐに増減するが、なぜか?



また、↓これらの質問にも答えられるようになります。

・運動して汗をかいて体重が1kg減ったら、それは痩せたことになるのか?
・サウナで体重が1kg減ったら、それは痩せたことになるのか?

どちらも体重が減ったうちのほとんどが水分によるものです。

前者は、運動中と運動後に体脂肪も減ってはいますが、ほんの僅かだけです。


フルマラソンの42.195㎞走って、↓「脂肪は最大0.3kg減少」とのことです。

そして運動中でもサウナでも、もし汗で1kgも減るようであれば、脱水症状の恐れがあり不健康なだけです。

サウナにはデトックスもダイエット効果もなく痩せない理由とは?

体脂肪が減る適切なペースは?

【1週間でマイナス3kgに成功したサプリ!】などのよくある広告が、無意味であることが理解できたでしょうか?

これらの広告は、そもそも嘘の物がほとんどですが、もしこの体重減少が本当だったとしても、

それは体脂肪が減ったのではなく、水分で一時的に体重が減っただけなので、【痩せた】のではありません。


体脂肪が減るには時間がかかるので、こんなに一気には減りません。

体脂肪が減るペースは、アスリートのように毎日数時間の運動でもしなければ、1ヵ月に1kgも減れば、上出来です。

多くの人にとっては、「1ヵ月に0.5~1kg減」くらいが適切だと思います。

ダイエットで減量ペースの目安は1ヵ月に1%。5%は速すぎで危険

【1ヵ月で3kg以上減ったら、そのダイエットは失敗】という人もいて、私も同感です。

短期間での大幅な体重減少は、筋肉減少が多いということなので、代謝も減り、結局はリバウンドするだけです。

2021年4月18日放送の『健康カプセル!ゲンキの時間』でも、「1ヵ月で体重の5%以上減らすと、逆に体脂肪を蓄える」と紹介していました。


リバウンドして体重が戻っても、以前より筋肉が減り、体脂肪が増えていることもよくあります。

これは寿命が縮んだ、とも言えることです。

ダイエット開始前に知っておくべき3点。リバウンドは寿命が縮む!?


↓こちらも参考記事です。

ランニングの消費カロリーはマラソン5回で体脂肪1kg減分!?

まとめ

【体重がすぐに変動する理由】が理解できたでしょうか?

このことを知っておくと毎日体重を測っていて、少しの増減で一喜一憂しなくて済むようになります。

”一喜” の方は良いとして、”一憂” の方は無駄なことですからね。


ストレスが強いと、太りやすいホルモンであるコルチゾールが分泌されると言われています。

普段から、現在の自分の体内糖質量が0g~500gのどのくらいの量なのかを意識して、食べるものを選んだり運動するタイミングや内容を考えるようにしてみてください。


また体内の糖質量だけでなく、塩分によっても体内水分量が変動して、すぐに体重が増減します。

そして毎日、同じ条件で測っても、原因不明で体重や体脂肪率の変動はあります。

↓関連記事です。

体脂肪率を効率よく落とす方法。変動が激しい理由は体内水分量の影響。

もし3日連続などで体重が増えたら、明らかに何らかの改善が必要ですが、1日~2日程度であれば、やはり一喜一憂しないのが良いですね。



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